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首相、法改正「野党の意見聞く」 感染症法・特措法罰則

衆院本会議で立憲民主党の枝野代表の質問に答える菅首相(20日)

菅義偉首相の施政方針演説への20日の各党代表質問は、新型コロナウイルスの感染防止策に集中した。立憲民主党は入院を拒否した感染者への罰則に懲役を設ける政府の感染症法改正案に反対を唱えた。首相は「与野党の意見を聞く」と述べ、与野党による法案の修正協議の実施に理解を示した。

衆院本会議での初日の代表質問で野党は持ち時間の半分以上を新型コロナ関連の質疑に割いた。感染拡大が続き、いまは11都府県に緊急事態宣言を発令している。首相が政権の目玉と位置づける脱炭素やデジタルの政策を巡る質問は短時間にとどまった。

野党が問題視したのは緊急事態宣言の遅れだ。立憲民主党の枝野幸男代表は医療体制が逼迫していると指摘し、宣言を発令する判断が後手に回ったと批判した。首相は「専門家の意見を聞き判断した」と適切に対応したと説明した。

立民の逢坂誠二氏は「宣言の延長もあるとの理解でいいか」とただした。首相は「延長を議論するのではなく、ステージ4を早急に脱却できるよう都道府県とも緊密に連携する」と述べるにとどめた。

首相は7日に1都3県へ宣言を出した時に「1カ月後には必ず事態を改善させる」と述べていたが、宣言期間を巡るこうした発言はなかった。

枝野氏は2020年度第3次補正予算案で、需要喚起策「Go To キャンペーン」の経費を削る予算の組み替えを提案した。首相は同事業を実施した場合も「十分に感染症対策が可能だ」と強調し、組み替えは必要ないとの認識を示した。

野党との歩み寄りの可能性を示したのが、22日に閣議決定する予定の感染症法、新型インフルエンザ特別措置法、検疫法の改正案だ。都道府県知事らの「命令」を受け入れない個人や事業者らに罰則を科す。

緊急事態宣言下で営業時間の短縮などに応じない事業者に「50万円以下の過料」、入院を拒否する患者には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」になる。

代表質問で枝野氏は感染症法改正案に懲役刑を設ける方針に関して「行き過ぎだ」と指摘した。首相は「与野党の意見を聞いて、速やかに国会に提出する」と答えた。

首相は自民党の二階俊博幹事長の質問にも「事業者や個人の権利にも十分配慮し、支援や罰則の規定を設ける」と話した。

背景には与党内の法案修正容認論がある。自民、公明両党は20日の与党政策責任者会議で3法案を了承した。同日の記者会見で公明党の北側一雄副代表は「閣議決定後も野党の意見を聞き、改善や見直しをすることは全く否定しない」と言及した。

野党側の要求があれば、与党は法案の修正協議に臨む見通しだ。政府・与党は実効性がある対策には3法案の成立が不可欠との立場をとる。迅速に対策をできるよう野党の協力を求める。

代表質問では雇用対策も論点になった。枝野氏は従業員の休業手当の一部を国が補助する雇用調整助成金の特例措置の期限を2月末から6月末に延長すべきだと主張した。

首相は延長について「雇用情勢などを踏まえ適切に判断し、今月末までに示す」と語った。枝野氏が求めた持続化給付金の再支給には触れず、資金繰りの支援には無利子無担保の融資で応じる方針を説明した。

代表質問は衆院で21日も開く。参院は21、22両日に予定し、各会派の代表が質問に立つ。

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