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7都道府県「まん延防止」移行決定 7月11日まで

医療逼迫なら「酒提供を一律停止」、首相

(更新)
新型コロナ対策本部の会合で9都道府県への緊急事態宣言解除を表明する菅首相(17日、首相官邸)

政府は17日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、沖縄を除く9都道府県は期限通り20日で解除すると決めた。そのうち東京や大阪など7都道府県は宣言に準じる「まん延防止等重点措置」に移行する。ワクチン接種の拡大を踏まえ、制約を段階的に緩和する。

政府の新型コロナ対策本部で決定した。重点措置の対象は現在の埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と合わせ、計10都道府県になる。沖縄県への宣言は継続する。いずれも7月11日を新たな期限とした。

菅義偉首相は17日の記者会見で「大変心苦しいが、安心した日常を取り戻すため、理解と協力をお願いする」と呼びかけた。

重点措置地域の飲食店には営業時間を午後8時までとするよう要請する。酒類提供は「一定の要件」を満たせば午後7時まで認める。十分な換気やアクリル板の設置、一組あたりの入店を4人までにするといった条件を示した。感染防止対策を第三者が確認した認証店でも提供可能とした。

実際に認めるかどうかは自治体側の判断となる。埼玉、千葉、愛知、福岡各県は午後7時までの提供を認める。兵庫県は平日午後7時まで、土日・祝日は自粛を促す。東京都では引き続き自粛を求めるべきだとの議論がある。

西村康稔経済財政・再生相は17日の衆参両院の議院運営委員会で「知事の判断で引き続き酒類の提供をしないということもできる」と話した。

カラオケ設備の利用は当面自粛を求める。感染状況やワクチンの接種状況を踏まえ知事の判断で緩和できるようにする。

百貨店や映画館などの大型商業施設についても感染が広がらないように入場整理を働きかける。時短営業や土日の休業要請について、知事が決める仕組みを続ける。東京都や大阪府は百貨店などの土日の休業要請を緩める検討をしている。

重点措置では休業の要請・命令はできないが、時短営業は知事が要請・命令できる。命令に従わない事業者に20万円以下の過料も科せる。

政府は時短営業の要請にこたえた店舗への協力金が飲食店などに行き届いていない現状を踏まえ、実務にあたる自治体に体制強化を促す。基本的対処方針に「都道府県は協力金支給の迅速化に努める」と記した。

イベントの観客上限は収容人数の50%かつ5千人を維持する。重点措置の解除後1カ月程度は1万人を上限とする経過措置をとる。

足元では新規感染者数は減ってきたが、感染力が強いとされる変異ウイルスの感染状況を注視していく。専門家の間では宣言解除に伴って人流が増え、再拡大につながるのではないかとの懸念が根強い。

厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は16日の会合で、東京や大阪で人出が多くなり、インド型変異ウイルスの報告数も多くなったと指摘した。

首相は「1日100万回接種」を目標に、ワクチン接種を加速させて感染拡大の抑制を狙う。自治体や国の大規模接種センターでの接種だけでなく、21日から企業などでの職場接種が本格化する。対象も高齢者だけでなく64歳以下の人に広げていく。

河野太郎規制改革相は17日、日本商工会議所との意見交換で「今週中には1日100万回接種が達成されるのではないか」と述べた。

医療逼迫なら「酒提供を一律停止」 首相、宣言解除後も


菅義偉首相は17日夜、首相官邸で記者会見を開いた。20日が期限の新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、沖縄を除く9都道府県で解除すると決めた理由を説明した。このうち東京や大阪など7都道府県は宣言に準じる対策がとれる「まん延防止等重点措置」に移行させる。引き続き感染対策へ協力するよう国民に呼びかけた。
首相は「ほとんどの都道府県で新規感染者数はステージ4を下回っている。全国の重症者数も減少が続き病床の状況も確実に改善されてきている」と指摘した。同時に「地域によっては感染者数に下げ止まりがみられる。変異ウイルスにより感染が従来より速いスピードで進むことが指摘されている」と語り、感染対策の継続を訴えた。
宣言延長や重点措置への移行については「多くの皆さまに引き続き制限をお願いすることは大変心苦しい限りだ。安心できる日常を取り戻すため、ご理解とご協力を心からお願いする」と述べた。
宣言解除後も「高い警戒感を持って対策を続けていく」と強調した。感染の再拡大で医療逼迫の兆しがみられた場合、酒類提供の一律停止やイベントの人数制限の強化などで「機動的に対処する」と語った。「何よりも警戒すべきは大きなリバウンドだ」と話した。
人の移動が多くなる夏休みには「状況を見ながら対応する。必要であれば緊急事態宣言やまん延防止措置をとる」方針だ。
「一日も早く希望する方へのワクチン接種を進め、医療崩壊を起こさない」との方針も示した。若い世代の感染拡大にも留意が必要との指摘に触れて「若い方々も含めて希望する全ての対象者への接種に政府を挙げて取り組む」と強調した。
接種状況に関しては「累計は2700万回を超え、一度でも接種した人は2000万人を超えた」と説明した。「この1週間で合計730万回、1日平均100万回を超える」とも指摘した。累計接種回数は「今月末に4000万回を超え、すべての市町村で7月末には希望する高齢者への2回接種が完了する見込みだ」と語った。
21日から始まる大学や職場でのワクチン接種は「3123カ所、1280万人分の申請があると報告を受けた」と明らかにした。
東京五輪・パラリンピックの開催には改めて意欲を示した。「40億人がテレビなどを通じて大会を観戦する。東日本大震災から復興を遂げた姿を世界に発信し、子どもたちに夢や感動を伝える機会になる」と述べた。
開催期間中に国内の感染拡大を抑え、大会終了後も感染拡大防止につなげていくことは「不可欠」だと話した。開催準備を「(ワクチン接種に)拍車をかけ、感染リスクを軽減しながら進めていきたい」と主張した。観客を入れることを前提に「観客は常時マスクをして大声の応援は禁止される。会場の直行直帰も大切になる」と提唱した。
五輪を中止しない理由を聞かれると「ノー(と言えないこと)でもプライドでも経済でもない」と述べた。「日本は外国から来た人にしっかり感染対策を講じることができるからだ」と強調した。
開催責任に関しては「最終決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にあるが、国民の安全、安心、命と健康を守るのは私が責任を持つ」と言明した。スポーツイベントなどの人数制限については「まん延防止措置が解除された後も人流を抑える。東京五輪の人数上限はこうしたルールに基づくことを基本に決定する」とも話した。
財政健全化への取り組みを聞かれると「経済あっての財政という考え方に基づき、まずは新型コロナを収束させる」と述べた。「成長志向の政策を進めて経済再生に取り組む姿勢のもと、財政健全化の旗は降ろさず、これまでの努力を続けたい」と強調した。
18日に閣議決定する経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)については「ポストコロナにふさわしい、安心できる社会と強い経済を早急に作り上げる」と唱えた。国主導の病床確保や、治療薬・ワクチンの迅速な実用化に取り組むと訴えた。
次期衆院選の前に内閣改造や自民党役員人事を実施するかを問う質問には「秋までのどこかで衆院解散・総選挙をする必要がある。さまざまな状況を考えながら判断していきたい」と答えた。
主要7カ国首脳会議(G7サミット)で対中包囲網の結束ができたかと聞かれると「国際社会の普遍的価値はG7の全ての国と共有している」と強調した。そのうえで「対中包囲網はつくらない」と述べた。
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