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皇位の安定継承、来週にも有識者会議 ようやく初会合

政府は16日、安定的な皇位継承策を話し合うための有識者会議を新たに設けると発表した。来週にも初会合を開く。継承問題を速やかに検討するよう付帯決議で求めた皇室典範特例法の施行から2年近くたち、ようやく議論に着手する。

皇位継承権の範囲や皇族の対象の変更などが論点となる。今年は秋までに衆院解散・総選挙があるため、一定の方向性をまとめるのは衆院選後になるとみられる。

加藤勝信官房長官は16日の記者会見で「安定的な皇位継承の維持は極めて重要な問題だ」と述べた。有識者会議で「様々な専門的知見をもつ人の意見を踏まえて議論し、整理する」と説明した。

会議は男女3人ずつからなる。このうち日本私立学校振興・共済事業団の清家篤理事長と宮崎緑・千葉商科大教授の2人は、天皇だった今の上皇さまの退位を巡る2016~17年の有識者会議のメンバーだった。

有識者らが示すことになる考え方が国民に幅広く受け入れられるよう、メンバー構成も工夫したとみられる。

行政法が専門の大橋真由美・上智大教授と、国際政治に詳しい細谷雄一慶大教授はいずれも40代の学者だ。経済界からは経団連副会長でもある冨田哲郎JR東日本会長を起用し、女優で作家の中江有里氏も選んだ。

皇室制度や日本史の専門家から意見を聞きながら安定継承のあり方を探る。加藤氏は「色々な意見をうかがいながら予断をもつことなく議論してほしい」と語った。

皇位の安定継承を巡っては、17年6月に成立した皇室典範特例法が付帯決議で「安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等」を重要な課題と位置づけた。法施行後、速やかに検討して結果を国会に報告するよう明記した。

19年4月の特例法の施行後、政府は非公式に有識者へのヒアリングを重ねてきたものの、本格的な協議はしていない。天皇陛下の即位に伴う一連の儀式を優先してきたためだ。

代替わり行事は秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)になられたと示す昨年11月の「立皇嗣の礼」で区切りがついた。新型コロナウイルスの感染者数が緊急事態宣言の再発令などに伴って落ち着いてきたことも、有識者会議を立ち上げる雰囲気につながった。

皇族数の減少に対応し、父方に天皇の血を引く男系男子による継承を保つかどうかが主な論点になる。今の皇位継承者は①秋篠宮さま②秋篠宮家の長男・悠仁さま③上皇さまの弟の常陸宮さま――の3人に限られる。

中長期的に若い男性皇族がいなくなる恐れがあるため、天皇制を続けるには女性天皇や女系天皇を認めた方がよいとの意見もある。

他方、自民党内には男系の伝統を守るべきだとの立場から、父方に天皇の血を引かない女系天皇に否定的な声が多い。

有識者会議では女性皇族が結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」創設や、戦後に廃止された旧宮家の皇籍復帰についても議題になるとみられる。

皇族数が減っていけばそれぞれの皇族の公務負担も重くなる。それを軽くするため、女性皇族が結婚した後も公務を続けられる制度なども話題にあがる可能性はある。

皇室制度を巡る議論は国論を二分しかねない。自民党内の意見集約も難航が予想される。今年秋までにある衆院選で争点になるのは避けたいと考える与党議員は多い。

加藤氏は「有識者会議はスケジュールありきではなく、落ち着いた議論をしっかり行ってほしい」と話す。政府高官は「議論を始めるだけなら選挙で争点になることはない。結論を出す時期と選挙の時期がかぶるのはよくない」と指摘する。

自民党の世耕弘成参院幹事長は16日の記者会見で「予断をもった議論でなく、しっかりと開かれた議論をしてほしい」との期待を示した。

公明党の山口那津男代表は同日の記者会見で「落ち着いた環境で冷静な議論を積み重ねる必要がある。国民の理解を得ながら進むことが重要だ」と言及した。

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