コロナ後成長へ減税重視 税制改正大綱を決定
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自民、公明両党は10日、2021年度税制改正大綱を決めた。新型コロナウイルスの影響を受ける企業や家計を下支えし、脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)の投資を促す減税措置を盛り込んだ。影響が行き渡る平年度ベースで国地方合わせて600億円規模の減税となる。そのうち地方税の減税が40億円と見込む。
同日開いた与党政策責任者会議で決定した。政府は月内に税制改正大綱を閣議決定し、21年1月召集の通常国会に関連法案を提出する。自民党の甘利明税制調査会長は記者会見で「菅義偉内閣が掲げる(政策の)柱を裏打ちし、課題の解決に向かって誘導する税制改正ができた」と語った。

コロナ後の成長を見据え、燃料電池やパワー半導体など脱炭素に寄与する製品の生産設備の導入や、クラウド技術を活用した他社や部門間のデータ連携に投資した企業の法人税を軽減する。甘利氏は脱炭素に関して「30年先でもいまから技術革新に大きくかじを切らないと間に合わない」と述べた。
税務上の赤字を繰り越し、翌期以降の黒字と相殺する「繰越欠損金控除」制度を拡充してコロナ禍で赤字に陥った企業にも積極的な投資を促す。家計の支援として、住宅ローン減税の特例や自動車重量税のエコカー減税の延長などを打ち出した。