岸田首相、佐渡金山登録へ説明 ユネスコ事務局長と面会
【パリ=共同】岸田文雄首相は9日、パリのホテルで国連教育科学文化機関(ユネスコ)のアズレ事務局長と会い、「佐渡島の金山」(新潟)に関する日本政府の立場を説明した。世界文化遺産登録に向けて理解を求めたとみられる。
松野博一官房長官は10日の記者会見で、会談内容に関し「首相は佐渡島の金山を取り上げたが、先方の反応を含め外交上のやりとりだ」として詳細の説明を控えた。
松野氏は「登録実現に向け、文化遺産としての素晴らしい価値が評価されるよう、国際社会に引き続き丁寧に説明していく」と述べた。今後の登録に向けたスケジュールは、昨年6月にロシアで開催予定だった世界遺産委員会が延期され、委員会の日程と開催地が未定だとして「確たることを申し上げるのは困難だ」とした。
日本政府は2022年2月に佐渡金山をユネスコに推薦したが、内容の不備を指摘され、今年の世界遺産登録を断念した。推薦書を修正し、24年以降の登録を目指す。
アズレ氏は、ロシアの侵攻で文化財が損傷する被害を受けたウクライナへの支援を巡り「日本との協力を一層強化したい」と呼びかけた。