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首相、1都3県に緊急事態宣言 8日から2月7日まで

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菅首相の記者会見を映し出す街頭の大型ビジョン(7日、東京・歌舞伎町)

菅義偉首相は7日、新型コロナウイルス対策本部を首相官邸で開き、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言の発令を決めた。期間は8日から2月7日まで。発令後、対象地域の知事は飲食店などに営業時間短縮を要請する。首相はこの後、記者会見で感染防止策への協力を国民に呼びかけた。

宣言発令により新規感染者数の増加に歯止めがかからない首都圏の感染拡大を抑える。首相は「年末年始からの感染者数が極めて高く、全国的にさらに厳しい状況となっており、強い危機感を持っている」と述べた。

現在の状況について、感染症などの専門家で構成する基本的対処方針等諮問委員会で「全国的かつ急速な蔓延により、国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生したと認められた」と説明した。「これを踏まえ、特別措置法の規定に基づき緊急事態宣言を発出する」と表明した。

「国民の命と暮らしを守ることを第一に都道府県と緊密に連携し、なんとしても感染拡大を食い止めるべく対策を進める」と強調した。関係閣僚に高い緊張感をもって全力で対策にあたってほしいと指示した。11日に全国一斉停止の期限を迎える観光需要喚起策「Go To トラベル」に関しては、緊急事態宣言中は停止を続けるとの方針を示した。

首相は対策本部後の記者会見で、大阪府や愛知県へ宣言発令する可能性を問われると「現時点ではそうした状況にはない」と答えた。感染者数が高水準にあると指摘して「状況を見ながらしっかり対応したい」とも述べた。医療提供体制を強化するため緊急事態宣言を発令する1都3県で重症者向け病床を新設した病院には約2千万円を補助する。他地域より上乗せする。

前回発令した2020年4月とは異なり、時短営業の要請対象は感染リスクが高いとされる飲食店などに絞る。

新型コロナ対策などを盛り込む政府の基本的対処方針は特別措置法に基づいて知事が時短要請する業種として、居酒屋を含む飲食店、喫茶店などを示した。遊興施設ではバーやカラオケボックスなどをあげた。いずれも営業時間を午後8時まで、酒類の提供は午前11時~午後7時までとするよう求める。宅配やテークアウトは要請の対象外になる。

政府は要請に応じた飲食店への協力金を1店舗あたり1日最大6万円まで支給できるようにする。要請に応じない店舗の名称を公表できるようにし、実効性を高める。特措法の政令を改正して対応する。

大規模なイベントに関しては参加人数を上限5千人とし、施設の定員の50%までとする。住民には午後8時以降の不要不急の外出の自粛を求める。

企業などにはテレワークへの協力を促し、出勤者の7割削減を目指す。人の流れを減らして、なるべく接触機会を減らす狙いがある。

学校については現場への混乱を避けるため、小中高校や大学に一律の休校は求めない。校内感染が少なく、若年層は重症化しにくいとの分析もある。部活動に関しては大きな発声や身体の接触を伴うものは制限を要請する。16日からの大学入学共通テストは予定通りに実施する。

基本的対処方針には宣言を解除する際の基準も明記する。専門家がまとめた4段階の感染状況のうち最も深刻な「ステージ4」からの脱却を目安とする。新規感染者数や療養者数、病床の逼迫度合いなど地域の感染状況を総合的に判断する。

基準を満たしたと判断すれば解除を前倒しする可能性がある。逆に期限内に基準に達しなければ期間の延長もあり得る。

宣言の発令は20年4月に続き2回目となる。前回は4月7日に7都府県を対象に発令し、同月16日に全国に広げた。感染状況が落ち着いた地域から順次解除し、5月25日に全面解除した。

海外の主要国も感染の再拡大に伴い外出自粛などを強化している。ドイツは感染が深刻な地域の住民は居住地から仕事や通院などの正当な理由がなければ、15㌔を越えて移動ができないようにする。感染力が強い変異種が広がる英国では、イングランドで5日からロックダウン(都市封鎖)を始めた。不要不急の外出を制限し、学校も対面授業を休止した。

日本の緊急事態宣言は海外とは異なり外出自粛などに強制力を伴わない。知事が要請する場合でも、罰則の規定はない。

対策本部に先立ち、新型コロナ対策を所管する西村康稔経済財政・再生相は衆参両院の議院運営委員会に出席した。緊急事態宣言の発令について「感染拡大の主な起点となっている飲食の対策などで実効性をあげるために、飲食につながる人流の抑制をはじめとする効果的な緊急事態措置を講じる」と述べた。

西村氏は東京都の解除基準の一例として1日当たり新規感染者数で500人程度への減少が必要になるとの認識を示した。

立憲民主党の枝野幸男代表は政府の対応について「経済を優先してきた姿勢が後手の対応を招いた」と批判した。西村氏は昨年12月時点では専門家から緊急事態宣言を出す状況にはないと聞いていたと強調した。そのうえで「年末年始に医療がさらに逼迫してきた状況を受けて、宣言の発出になった」と話した。

枝野氏は議運委に出席しなかった首相に「多くの国のリーダーは先頭に立って国民に呼び掛けている。首相にリーダーとしての自覚が欠けている」と指摘した。

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