菅首相の記者会見の要旨

菅義偉首相の5日の記者会見要旨は次の通り。
【緊急事態宣言の延長】 2週間延長し21日までにすると決定した。当初約束した7日までに解除できず大変申し訳なく心よりおわびする。
宣言を発令した1月以降、大きな効果が目に見えて表れている。1都3県はほとんどの指標が当初めざしていた基準を満たしている。
病床の使用率が高い地域があるなど依然厳しさがみられる。感染者は減少傾向にあるがスピードは鈍化している。人出が増加している地域もありリバウンドの懸念も高まっている。
2週間は感染拡大を抑え込むと同時に、状況をさらに慎重に見極めるために必要な期間だ。冷静、総合的に考慮し延長の判断をした。
【感染対策】 飲食店の営業時間短縮、不要不急の外出自粛やテレワークなどの効果的な取り組みを地方自治体と連携し徹底する。特にリスクが高いのはマスクを外した会話が多くなる飲食で、対策の中心となることも分かってきた。
春は卒業式、入学式、歓送迎会など人生の節目であるとともにお花見など人が集まる機会も多くある。そういう機会でも大人数の会食は控えてほしい。解除後の地域でも会食はできるだけ家族または4人以内でお願いする。
高齢者の感染を早期に発見しクラスター(感染者集団)の発生を防ぐため3月末までに約3万の施設で検査する。市中感染を探知するため無症状者のモニタリング検査を大都市でも規模を拡大して実施する。
対策についてCMのほか、SNS(交流サイト)や動画も活用し、若い世代にも届くよう広報に力を入れる。
【ワクチン】 4月12日から全国の高齢者への接種をスタートし、4月末からは規模を大幅に拡大する。感染対策の切り札として希望する国民に一日も早く届けたい。副作用の情報を含め分かりやすい情報発信をする。
【変異ウイルス】 引き続き十分な警戒が必要だ。3月から変異ウイルスが短時間で検出できる新たな検査を全都道府県で実施し国内の監視体制を強化する。
【水際対策】 全ての帰国者、再入国者に14日間待機中は携帯電話の位置情報に加え、毎日ビデオ電話で状況を確認する体制を整える。
【事業・雇用支援】 生活資金、雇用調整助成金などできる限りの支援を継続する。資金繰りは十分な資金と、規模や状況に応じた支援策を用意している。事業者の個別の相談を聞いて丁寧に対応する。
昨年来、特に女性の自殺者が増えていることに大変心を痛めており対策が急務だ。女性の非正規労働者やひとり親をはじめ就業に困難を抱えている人の希望に沿った就業がかなうよう寄り添った支援をする。
今月中に関係閣僚による会議を開催し緊急の支援策をとりまとめる。
【Go To トラベル】 当面の再開は難しい。今後、各地域の感染状況を踏まえて専門家の意見を聞きながら判断したい。
【東京五輪・パラリンピック】 五輪と関係なく一日も早く新型コロナウイルスを収束させるのが私の役割だ。
観客は変異ウイルスの影響や国内外の感染状況を踏まえ、主催者の国際オリンピック委員会(IOC)や東京都、大会組織委員会などで検討してほしい。
海外からの観客(を受け入れるか)は3月中に決定する。いま万全の対策をとっているが、いざ観客を入れると大変な状況になる。人員も含めて今月中に方向性を決めたい。
【総務省接待問題】 現在調査中だ。武田良太総務相のリーダーシップのもと事実関係の確認を徹底し、ルールにのっとってしっかり対応してほしい。
官僚が倫理規程を守るのは当然だ。官僚と政治のあり方について第三者委員会(で検証すべきだ)という話があるが私はまだ様子をみたい。

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