行政レビュー、無駄削減1263億円 省エネ事業など見直し

政府は5日、2020年11月に有識者らが国の予算の無駄を点検した「秋の行政事業レビュー」を踏まえた各府省の対応状況をまとめた。21年度予算案は各府省の概算要求から1263億円削減できたと発表した。削減額が1000億円を超えるのは4年ぶりとなる。
河野太郎規制改革相は記者会見で「無駄削減はもとより、国民目線で価値を創造する観点で事業の背景や意義を議論した」と説明した。
秋のレビューは13分野を取り上げた。経済産業省の省エネ設備導入の補助金事業(概算要求485億円)は89億円減らした。河野氏は「大企業が設備を更新するだけで要件を満たす程度の補助金はやめなければならない」と指摘していた。
国土交通省が自治体のインフラ整備のために支出する社会資本整備総合交付金は道路事業で760億円、下水道事業で170億円削減した。有識者が抜本的な見直しを求めた環境省の浮体式洋上風力発電の普及事業は実施を見送った。
廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)については、文部科学省が「現行計画の下で必要な対応を実施する」との方針を示した。有識者は使用済み核燃料の再処理に向けたフランス企業との契約解消を含めた新たな検討を同省に促していた。