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緊急事態宣言、週内にも 1都3県で首相検討表明

「限定的に、集中的に」

(更新)

菅義偉首相は4日、年頭の記者会見で、新型コロナウイルスの感染再拡大に対応するため緊急事態宣言を再び発令する検討に入ると明言した。対象は東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県とする方向だ。飲食の場を中心に感染拡大が起きていると説明し「限定的に集中的に行うことが効果的だ」と訴えた。

観光需要喚起策「Go To トラベル」事業の全国一時停止措置は11日に期限を迎える。首相は「緊急事態宣言となれば再開はなかなか難しい」と述べた。

首相は宣言の検討について「飲食での感染リスクの軽減を実効的なものにするために内容を早急に詰める」と説明した。「1都3県の感染者数が極めて高い水準だ。こうした状況を深刻に捉えて、より強いメッセージが必要と考えた」と語った。

政府高官は4日、週内にも宣言を出す方向で調整していると与党幹部に伝えた。緊急事態宣言が出れば対象地域の知事は明確な法的根拠をもって住民に外出自粛や店舗の休業、営業時間の短縮を要請できるようになる。

発令に関し、近く専門家による新型コロナ対策の分科会や基本的対処方針等諮問委員会を開いて意見を聞く方針だ。首相は発令時期に関し「まずは飲食の(感染)リスクを軽減することを詰めて、その中で表明したい」と話した。

政府は2020年4月7日、東京や大阪など7都府県を対象に緊急事態宣言を発令した。4月16日に対象地域を全国へ広げ、5月4日に期限を5月末まで延長した。感染状況などを踏まえ、5月25日に解除した。今回発令すればこれ以来となる。

首相は緊急事態宣言の根拠となる新型インフルエンザ対策特別措置法に関し、1月18日召集の通常国会での法改正を明言した。政府は同月中にも成立をめざす。時短や休業に応じる店舗への給付金と応じない業者に対する罰則を一体的に整備する方針だ。

今夏の東京五輪・パラリンピックは予定通り開催する意向を強調した。「感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気をお届けする決意のもと、準備を進めていく」と語った。

1都3県の知事は1月2日、西村康稔経済財政・再生相と会談し、緊急事態宣言の発令を検討するよう求めた。会談後、西村氏は記者団に「緊急事態宣言が視野に入る厳しい状況という認識を共有した」と述べた。

首相は経済と感染防止の両立を目指してきたが、医療提供体制の逼迫などが深刻になっている。20年12月の日本経済新聞社の世論調査でも「感染拡大を防ぐため速やかに再宣言すべきだ」との回答が48%を占め、11月調査から9ポイント上がった。

再発令の調整に入った背景には、首都圏を中心とする新規感染者の急増がある。都は12月31日、過去最多の1337人の新規感染が確認されたと発表した。1月3日には重症者数が100人を超えた。神奈川や埼玉、千葉も過去最多を更新しており、医療体制の立て直しが急務になっている。

英国などで流行する新型コロナの変異種が国内で確認されたのも踏まえた。変異種は感染力が強いとされ、政府は20年12月28日、全世界からの外国人の新規入国を原則として停止する措置を決めた。

緊急事態宣言は新型コロナの感染拡大を防ぐために首相が出す。(1)国民の生命や健康に著しく重大な被害を与える恐れ(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れ――の2要件が必要になる。

宣言に基づく都道府県知事の時短要請などに強制力はないものの、事業者が正当な理由なく応じなければ、より強い「指示」を出して応じない事業者名を公表できる。

学校や百貨店など多くの人が集まる施設の使用制限も求めることが可能だ。

知事による措置には私権を制限するものも含む。臨時の医療施設を設けるために所有者の同意がなくても土地や家屋を収用できる。医薬品や食料といった必要物資の売り渡し要請も可能になる。

政府は宣言を解除するにあたり、感染状況や医療提供体制を総合的に判断する。解除は専門家らの判断を踏まえて、新型コロナ対策本部で正式に決定する。

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