特措法・感染症法改正案が衆院通過 3日に成立へ

新型コロナウイルスに対応する特別措置法と感染症法、検疫法の改正案は1日の衆院本会議で、自民、立憲民主両党などの賛成多数で修正案を可決し、参院に送付された。2日の参院本会議で菅義偉首相が出席して審議入りし、3日に成立する見通し。
本会議に先立つ衆院内閣委員会で与党と立民、日本維新の会の4党が修正した。共産党と国民民主党は改正案に反対し、野党内の賛否が割れた。
共産党はかねて過料を含めた罰則導入に反発していた。国民民主は「罰則は緊急事態宣言下に限定すべきだ」(玉木雄一郎代表)と主張した。
特措法改正案は都道府県知事が営業時間の短縮要請に従わない飲食店などに命令できるようにする。感染症法改正案は患者が入院を拒否したり、逃亡したりした場合に過料を設ける。
緊急事態宣言下で命令に従わない事業者に「30万円以下の過料」、宣言を発令する前の「まん延防止等重点措置」の場合は「20万円以下の過料」を科す。
入院を拒否した患者に「50万円以下の過料」、保健所による感染経路調査を拒否した人には「30万円以下の過料」を設ける。当初案はそれぞれ刑事罰で前科が残る「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」と「50万円以下の罰金」だった。立民などの反発を受けて行政罰の過料に修正した。
採決に先立ち、衆院内閣委では付帯決議を採択した。「まん延防止等重点措置」をとる際は、事前に専門家の意見を聞き「国会に速やかに報告する」よう求めた。
改正案は私権を制限する項目を含むため、公布から施行まで10日の周知期間を設ける。施行は今月中旬になる見込み。