サンマ漁獲枠、40%削減で合意 日中など8カ国・地域
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日本や中国など8カ国・地域がサンマの資源管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が25日閉幕し、現行の漁獲枠を40%削減し、年33万3750トンとすることで合意した。2021年から2年間適用する。歴史的なサンマの不漁に直面した日本は、資源回復に向けた規制強化を提案しており、一定の前進がみられる結果となった。
参加国・地域全体の総漁獲枠は現在55万6250トン、このうちNPFCが管轄する公海の漁獲枠は33万トンに制限されている。会合では総漁獲枠のほか、公海の漁獲枠も同様に40%減らして19万8千トンにすることで一致した。また、日本とロシアの排他的経済水域(EEZ)内の漁獲量は13万5750トン以内に抑え、全体の漁獲枠の削減に協力する。
漁獲枠の導入は19年の年次会合で初めて合意。日本は、主要漁場である近海のEEZにサンマが回遊してくる前に中国や台湾が公海で「先取り」することが不漁の一因とみて、公海での漁獲枠削減を提案していた。
全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)によると、20年の日本全国のサンマ水揚げ量は前年比27%減の2万9566トンとなり、記録が残る中で最低だった。
一方、他の参加国でも不漁が目立っており、水産庁によると、米国とカナダを除く6カ国・地域を合わせた19年の漁獲量は、前年より6割近く少ない約19万1千トン。今回、削減が決まった漁獲枠を大きく下回っている。
今回の年次会合は23日から3日間、ウェブ会議形式で開かれた。〔共同〕