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Appleの自社優遇に批判 米議会、アプリ独占で公聴会

米アップルや米グーグルは「アプリ経済」を成長させた一方、独占・寡占の弊害を指摘する声も増えてきた。

【シリコンバレー=奥平和行】米議会上院は21日、スマートフォンのアプリ配信サービスに関する公聴会を開いた。米アップルや米グーグルのサービス運営に不満を持つアプリ開発企業の幹部が出席し、自社の優遇など独占の弊害を指摘した。両社幹部は「アプリ経済圏」が広がった効果などを訴え、理解を求めた。

「アップル自身は詳細な位置検知に必要なデータを使っているのに、当社には認めていない」。21日の公聴会で米スタートアップ企業、タイルのクリステン・ダル法務責任者はアップルの姿勢が不公平だと批判した。

同社は2012年に発足し、スマートフォンと組み合わせて使い忘れ物を防ぐ小型タグの開発・販売を手掛けてきた。当初は「アップルストア」がタイルの製品を扱うなど関係は良好だったが、アップルは20日に競合商品となる「AirTag」を発表。詳細な位置の検知を独り占めしたことに怒りをにじませた。

アップルとグーグルは08年にアプリ配信サービスの運営を始めた。経営規模の小さな企業や個人もサービスをつくって世界で売る道を開き、タイルのような企業の誕生につながった。米センサータワーによると20年の世界の消費者のアプリへの支出金額は前年比3割増の1109億ドル(約12兆円)に拡大し、ゲームが全体の約7割を占めた。

一方、アプリ経済圏が広がるなか、アップルやグーグルも自社で音楽配信などのサービスを拡充した経緯がある。両社はアプリ開発企業の新たなライバルになり、「自社のサービスを優遇している」との指摘を受けた。また、両社に支払う原則30%の手数料の負担が重いとの声も上がった。

人気ゲーム「フォートナイト」の開発元であるエピックゲームズが昨夏に両社を提訴し、手数料が割高だと批判している。音楽配信を手掛けるスポティファイ・テクノロジー(スウェーデン)の幹部も21日の公聴会で「30%の手数料の負担が重く、月額利用料を値上げせざるを得なかった」と述べた。

手数料については「自社で広告や世界の利用者に向けた配信を手がけたらコストがかさみ、割安ではないが不当とも言えない」(米新興ゲーム会社幹部)との見方もある。アップルのカイル・アンダー最高コンプライアンス責任者も「毎週10万のアプリを人力と人工知能(AI)で審査するなど運営にコストがかかる」と理解を求めた。

アプリ開発者の意見は一様ではないものの、アプリ配信サービスに対する政界や独禁当局の視線は厳しさを増している。欧州委員会などが問題視してきたほか、米国では議会下院が20年10月にまとめた報告書でこの問題を指摘した。今後、反トラスト法(独占禁止法)の運用強化や改正のたたき台となる見通しだ。

地方でもノースダコタ州やアリゾナ州でアプリ配信サービスの利用義務付けを禁止する法案が提出された。いずれも最終的に成立しなかったが、両社は対応を余儀なくされている。アップルが1月から年間売上高が100万ドル以下の開発者を対象に手数料を15%に引き下げ、グーグルも追随する。包囲網が狭まるなか、さらなる譲歩を迫られる可能性がある。

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