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アプリの個人情報利用を開示 Apple、開発者に義務化

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【シリコンバレー=白石武志】米アップルは14日、同社が配信する全180万のアプリを対象に個人情報の扱いの開示を始めた。どんな情報が収集され他社と共有されるかをユーザーが把握しやすくする。欧州などは法律で同様の開示義務を課しているが、アップルは世界統一の自主ルールで対応企業の網を広げる。プライバシーへの姿勢がアプリ競争力を左右する流れが強まりそうだ。

アップルと取引がある約2800万のアプリ開発者すべてに開示を求める。これまでアプリ開発者は各国・地域のプライバシー規制に従い必要であれば情報を開示していた。今後はソフト開発や更新ごとにアップルに個人情報の扱いを申告する必要がある。アップルは申告をアプリ審査の一環と位置付けており、拒否する開発者はアプリ配信網から外すとしている。

開発者が扱う情報は「連絡先情報」や「財務情報」「位置情報」「検索履歴」「購入履歴」など十数種類にアップルが分類し、アイコンの形にしたうえで配信網のサイトに開示する。情報が他アプリと共有されているかや個人と特定できるデータかどうかも開示する。ユーザーはアプリのダウンロード時に自らのプライバシーの扱われ方を確認できるようになる。

すでに多くのアプリ開発者が各国・地域の法律などに従って個人情報の扱いを盛り込んだ「プライバシーポリシー」を開示しているが、全文に目を通す消費者は少なかった。アップルの自主ルールは閲覧をしやすくし、アプリ利用時のユーザーの判断材料を増やす狙いがある。

検索や閲覧履歴などのデータをネット広告企業と共有している企業は影響が出る可能性がある。消費者の関心に応じたターゲティング広告をアプリ内に表示することで収益を得ているからだ。プライバシーを重んじるユーザーがダウンロードや利用を控える場合もありそうだ。

ネット広告が売上高の8割を占める米グーグルとは対照的に、アップルは広告に収益を依存していない。モバイル端末市場で7割超のシェアを握るグーグルの基本ソフト「アンドロイド」に先駆けてプライバシー保護の取り組みを強化することで、主力スマートフォン「iPhone」やタブレット端末の「iPad」などの販売拡大につなげる戦略とみられる。

欧州連合(EU)が18年5月に罰則規定を伴う一般データ保護規則(GDPR)を施行するなど、プライバシー保護は世界的な潮流となっている。アップルが本社を置く米カリフォルニア州でも20年1月に消費者プライバシー法(CCPA)を施行した。

アップルは8日以降にアプリを新規配信したり更新したりする開発者に対し、同社が用意した個人情報の扱い方に関する質問票に回答するよう義務付けた。具体的な各アプリの情報開示は14日以降、順次増えていく見通しだ。

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