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量子暗号、金融分野への導入検証 野村HDや東芝

株式取引のデータ伝送視野に

量子暗号による通信を株式取引に用いる場合、瞬時に応答する高速性や膨大な注文を処理する能力が求められる(東芝の量子暗号通信の送受信機)

国内の金融業界で「究極の暗号技術」といわれる量子暗号の導入に向けた試みが始まる。野村ホールディングス(HD)や情報通信研究機構、東芝などは21日、株式取引などのデータ伝送に利用するための検証に乗り出すと発表した。高速の取引処理や大容量の通信に対応できるかを探り、将来の活用の検討に生かす。

量子暗号は守りたいデータを暗号化したり、元に戻したりするのに必要な「鍵」の情報を「光の粒」である光子を使って送る技術だ。第三者による不正な解読が原理的に不可能とされ、情報漏洩のリスクを抑えられる。

野村HDなどは本格導入の前段階として、技術的な課題などを洗い出す。顧客情報や株式取引情報の疑似データを量子暗号を用いて伝送する実験に取り組む。「秘密分散」と呼ぶ手法により、複数のサーバーにデータを分散保管して安全性を高める仕組みも併せて検討する。国内の金融機関で量子暗号に必要な装置を実際に設置し、検証するのは初という。

サイバー攻撃の脅威が高まり、金融業界では顧客情報保護などの重要性が増している。世界で次世代計算機の量子コンピューターの開発が進み、現在普及している暗号技術が無力化される恐れも指摘される。こうした課題への対応として有望視されるのが量子暗号だ。北京―上海間に巨大なネットワークを築く中国が先行して導入を進めるほか、米欧でも検討が活発化している。

量子暗号による通信を株式取引に用いる場合、瞬時に応答する高速性や膨大な注文を処理する能力が求められる。こうした要求を満たせるか、1年以上かけて検証する。取り組みは内閣府のプロジェクトの一環で、野村HD傘下の野村証券とNECも参加する。

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