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車の動力源もCO2なし 2050年、経産省目標

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経済産業省は2050年に自動車の製造から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で二酸化炭素(CO2)排出ゼロをめざす。電動車の普及と同時に、動力源となる電力で再生可能エネルギーの拡大が不可欠になる。規制など目標達成の取り組みは年内にまとめる温暖化ガス排出削減の実行計画に盛り込む。

自動車は国内のCO2排出の2割弱を占め、脱炭素のカギを握る。経産省は10日、メーカーの幹部や有識者らを集めた検討会で50年ゼロに向けた議論を始めた。

EVでは「全固体電池」など次世代技術の開発促進を論点とした。中国企業が優位に立つ蓄電池やモーターで海外依存を招かない供給体制の確保なども課題とした。EVは電池を含む製造過程でガソリン車の2倍近いCO2を排出するとされる。会合では「エネルギー政策も含め検討する必要がある」との意見が出た。

21年に見直すエネルギー基本計画で再生エネの発電比率目標をどこまで高めるかが焦点になる。現在は30年度に22~24%との目標を掲げる。19年度は18%にとどまった。4割前後に達する欧州主要国との差が大きい。

今後、30年代半ばに国内の新車をすべて電気自動車(EV)などの電動車とする目標を掲げる方向で調整する。販売目標の未達企業が達成企業から排出枠を買って補う取引制度も検討する。

脱炭素 電源と両輪

経済産業省は10日、国内の二酸化炭素(CO2)排出量の2割弱を占める自動車の脱炭素化に向けた議論を始めた。走行時だけではなく製造から廃棄に至る「車の一生」を通じて排出量をいかに抑えるかが重要になる。電動車への移行では電源の見直しを並行して進める必要があり、再生可能エネルギーの普及拡大や水素の有効活用がカギを握る。

経産省は10日の有識者会議に示した資料で「ライフサイクルでのカーボンニュートラル実現」を課題に挙げた。燃料の製造や輸送、使用などの各段階の環境負荷に配慮する。

ガソリン車は油田からの原油採掘、ガソリンの精製、走行時などにCO2を排出する。走行時は温暖化ガスを排出しない電気自動車(EV)も動力源の電気が問題になる。石炭や液化天然ガス(LNG)などによる火力発電だと電動車でも排出をしていることになる。

日本は発電量に占める火力の比率が8割弱に及ぶ。経産省は10日の会議で再生可能エネルギーの普及や、製造時にCO2を出さない「カーボンフリー水素」の導入拡大を今後の取り組み例としてあげた。再生エネについては梶山弘志経済産業相が最大の主力電源に育てる考えを示している。

課題が多いのは水素だ。製造時に化石資源を使う水素は「グレー水素」と呼ぶ。水素をエネルギー源とする燃料電池車(FCV)は走行時にはCO2を出さないものの、水素の製造段階で排出していれば、ライフサイクルで脱炭素とはいえない。

再生エネから作る水素は「グリーン水素」と呼ぶ。この場合でも再生エネの普及拡大は欠かせない。

自動車メーカーも既に走行時以外の排ガスに目を向け始めている。トヨタ自動車首脳は「走行時の議論だけでは真の脱炭素は実現できない。電源構成などエネルギー計画も一体で議論をしてほしい」と政府関係者に説いてまわる。

トヨタ首脳はライフサイクルでの排出ゼロを目指す目標について「やれるめどがあるわけではなく、やらなくてはいけない」と話す。

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