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HSBCに気候変動対応求める 機関投資家が株主提案

仏アムンディなど15社 運用資産250兆円

HSBCは気候変動問題への対応強化を求められた

仏資産運用大手アムンディなどは11日、英大手銀行のHSBCに株主提案したと発表した。化石燃料に関する与信残高を減らすなど、気候変動問題への対応強化を求める。15もの機関投資家が共同提案するのは珍しく、運用資産の合計は2.4兆ドル(約250兆円)だ。企業による対応の加速を促すため、投資家の共同提案が広がってきた。

HSBCの4月の年次株主総会で賛否を問う。75%以上の賛成票を得たら、化石燃料への与信残高を削減する戦略と、短・中・長期での目標を公表する必要が生じる。提案者の1社であるデンマークの年金基金、アカデミカーペンションのアナス・シェルデ氏は「多くの投資家の賛同を得られるだろう」と話す。

HSBCは欧州の主要銀行の中でも英バークレイズに次いで石炭を含む化石燃料関連企業への与信が多いとされる。

投資家はこれまで4年にわたり、対話を通じてHSBCに気候変動問題への対応を促してきた。HSBCは2020年10月に温暖化ガスの排出量実質ゼロの目標を掲げたが、「目標を公表するまでの4カ月間に化石燃料関連企業に18億ドルを投じた」と英慈善団体が分析するなど、逆に与信を拡大したとして株主提案に踏み切る。

気候変動に関する株主提案はもともと環境団体などが中心だった。ESG(環境・社会・企業統治)投資の拡大につれ、機関投資家が提案者に加わるようになっている。今回参加する15社のうち、アムンディや英ヘッジファンドのマン・グループが気候変動関連で株主提案をするのは初めてだ。

共同提案の動きもここ数年で増えてきた。対話で気候変動対応を求めても企業の変化は限定的で、より強い圧力が必要との考えが広がったことが背景にある。気候変動関連の株主提案は賛同率も上昇。20年の米企業への株主提案の平均賛成率は約39%と前年比8ポイント上がった。多くの投資家が賛成票を投じるようになり、提案の実現可能性が高まっている。

19年には投資家団体クライメート・アクション100プラス(CA100+)が英エネルギー大手BPに温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に沿う戦略策定を求めた。「多数の主要投資家の共同提案は初めて」(CA100+)という。経営陣も提案を支持し、賛成率は99%となった。BPは昨年、50年までの排出量実質ゼロを表明した。

バークレイズは20年の株主総会で、11の機関投資家からパリ協定の目標に沿わない業種への融資を停止する提案を受けた。対抗策として自ら、50年までに排出量を実質ゼロにする提案をして可決された。

日本では昨年、みずほフィナンシャルグループがNPO法人から気候変動に関する戦略開示を求める提案を受け、3割超の株主が支持した。アカデミカーペンションは共同提案に前向きで、「石炭火力発電に依存する日本企業にも関係する可能性がある」(シェルデ氏)と話す。

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