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対話会に出席したユース3団体の概要

NIKKEI脱炭素(カーボンZERO)委員会 第1回ユース対話会

Youth Econet 若者のつながり強化

メンバーが発起人としてCENの設立にもかかわった(気候非常事態ネットワーク提供)

Youth Econet(ユースエコネット)は中学生から35歳くらいまでの若年層で環境活動に興味・関心のある人、その人たちをサポートする人のネットワークだ。環境活動に従事する若年層の横のつながりをつくろう、提供しよう、強化しようとの目標を掲げたプラットフォームだ。

フェイスブックやツイッターなどSNS(交流サイト)に加え、ホームページを通じて交流している。ユース対象のサマーキャンプや交流会などイベントの企画・立案・実施・運営、環境活動を取材して発信する。

設立から1年半ほどだが、月に1度運営委員会、年に1度交流会を開いている。環境に関する情報やノウハウを共有し、自らの活動に生かし、環境への関心を促す。ユースの環境活動の輪を地球規模に広げることで、環境保全を促進する狙いだ。

一方、ユースエコネットの小竹真帆さん、鳥井要佑さんが発起人として関わったのが、CEN(気候非常事態ネットワーク)だ。CENは東京大学の山本良一名誉教授が委員長となり、2020年11月に発足したばかりの団体だ。自治体や企業が出す気候非常事態宣言や、カーボンニュートラル・アクション・プランといった先進的な取り組みについて情報を伝え、脱炭素に向けた取り組みを推進している。

ユースエコネットの持つ若者のつながりを生かしたいとの話があり、CENの下部組織として「CEN学生青年気候委員会」を発足。学生環境団体の活動状況を共有し、若者主体のネットワークを形成。CEN会員を通じた横断的なつながりをつくることを目指している。

今年6月4日にCENは「気候非常事態とカーボンニュートラル」サミットを東京都内で開いた。政府・自治体、企業、大学、若者がそれぞれ環境保全について発表し、活発なディスカッションを繰り広げた。

CEN学生青年気候委員会は今後、講演会やワークショップを開く予定だ。ユースエコネットの鳥井さんは「若者と社会人が脱炭素社会に向けて課題を見つめ直し、議論して発信する場をつくりたい」と企業に協力を呼びかけている。

Climate Youth Japan 環境問題「自分事」に

設立以来、毎年COPにメンバーを派遣している

Climate Youth Japan(CYJ)は2010年春に、前年の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)に参加した大学生を中心に設立した団体だ。COPの開催期間だけでなく恒常的に気候変動について議論したり意見を発信したりして、ほかのユースや関係諸機関と継続的に連携している。

設立以来、毎年COPにメンバーを派遣し、サイドイベントに登壇したり、関係省庁との意見交換や政策提言を行ってきたりした。近年では若者に広く関心を持ってもらうイベントを企画したり、気候変動に関するリーダーの育成を目指してオンライン勉強会を開いたりもしている。

メンバーとして高校生から大学生、大学院生まで国内外の約60人が参加しており、その規模は年々拡大している。

「ユースが気候変動を解決に導くことで衡平で持続可能な社会を実現する」ことをビジョンに掲げる。「衡平」という言葉を使うことについて、代表の近藤壮真さんは「気候変動に取り組む上で世代間、社会集団、立場の間の意識・行動のバランスが取れた社会の実現を目指している」と話す。

従来はオンラインで活動してきたが、コロナ禍に伴い20年度から活動内容を大きく刷新した。基盤となる活動と派生する各種プロジェクトを進めている。5、6人の少人数グループを複数つくり、定期的な勉強会や「環境カフェ」を開いている。国立環境研究所の協力を得て、専門家と継続的に対話を重ねている。

気候変動を「自分事」と捉えてもらおうと「食×気候変動」「感染症×気候変動」といったテーマでイベントを開いている。環境省や政府・与党に政策を提言している。20年12月に首相官邸で開かれた会議には代表の近藤さんらが出席した。コロナ禍が起きた20年度より前には、国際会議にメンバーを派遣してきた。

ライフスタイルで行動変容を促す取り組みも多彩だ。廃油で作ったろうそくを使ったキャンドルナイトの催し、手作り歯磨きなどのエコライフワークショップ、タピオカドリンクの再利用可能なカップを普及させるイベントなどを相次ぎ開き、環境意識の高まりを促している。

Fridays For Future Japan 「気候正義」掲げ活動

衆院環境委員会にメンバーが参考人として出席した(画像はYouTubeから抜粋)

Fridays For Future Japan(FFFJ)は2019年2月に日本で活動を始めた。スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんの学校ストライキを機に始まった気候変動への対策を求める運動で、全世界に広がった。

19年には啓発活動のマーチ(行進)を中心とした活動をしてきた。コロナ禍を受け、気候変動対策を求める4万筆の署名を集め、環境省、経済産業省、内閣府などに提出した。環境省と経産省の合同審議会に出席し、政策を提言した。今年4月に日本政府が温暖化ガス削減目標の引き上げを決める直前には学校ストライキを行った。その直後には衆院環境委員会に鹿児島のメンバーが参考人として出席している。

FFFJは全国レベルのムーブメントになっており、仙台市、神戸市、神奈川県横須賀市などでは石炭火力発電所の建設計画に、市民を動員して反対する草の根の直接行動を起こしている。

「いま大学1年生の私が就職する前に気候変動の影響は手遅れになる恐れが十分ある」。FFFJの酒井功雄さんはこう話す。大きなターニングポイントに立っているというのだ。世界気象機関(WMO)は5月のリポートで、25年までに産業革命前と比べてセ氏1・5度の気温上昇が起きかねないと警鐘を鳴らした。

気候変動対策にはビジネスとしての脱炭素のみならず、倫理的な観点からのアプローチが不可欠だとFFFJは指摘。これが日本に不足している点だと強調する。気候変動に伴う台風や干ばつといった災害の直接的・経済的なダメージは、排出量の少ない途上国や、先進国の貧困層が受けやすい状況にあるからだ。

格差の中で「静かな暴力」の被害を受ける人がいる不公平な状態から、より公正な解決のための「気候正義」を掲げている。日本政府が支援するベトナムでの石炭火力発電所建設計画を巡り韓国やベトナムの若者、グレタ・トゥンベリさんと連帯し、関係する金融機関や商社などに公開質問状を1月に送った。

様々な政策決定者、企業に対し、道徳的な圧力をかけ、科学に基づいた政策を立案・実行することを求めるという。

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