マンガ家 里中満智子(15)子宮頸がん
治療法学び全摘出免れる 月産700ページ、早期発見で克服
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20代後半、仕事は多忙を極めた。一番多いときで、私は月産で700ページの漫画を描いていたという。自分で数えたわけではなく、編集者がカウントしてくれていた。
アシスタントは最大で6人いたが、原作者がいたわけではないので、どんなに忙しくても、物語づくりのスタートから自分でやるしかない。睡眠は毎日2時間程度。そんな中、熱が出て、震えが止まらなくなったので、病院に行くと、腎盂炎(じんうえん)だといわれ、...

マンガ家の里中満智子さんは高校生時代に鮮烈なデビューを飾って以来、第一線で活躍し続けています。団塊世代に生まれ、厳しい母親からは「試験で一問でも間違えたら集めた漫画を捨てる」と言われながらも反対を乗り越えてプロの道に。「アリエスの乙女たち」「天上の虹」といったヒット作を生み、あまりに多忙な日々を送る中で、様々な苦悩や子宮頸(けい)がんなどの病気とも向き合ってきました。手塚治虫や石ノ森章太郎ら巨匠たちとの交流は日本のマンガ史そのものともいえる興味深いエピソードばかり。現在は日本漫画家協会理事長を務め、奮闘を続ける里中さん。日本の漫画が「クール・ジャパン」として世界的な評価を受けるはるか前史から、大きく広がるマンガ界の未来までを展望する読みどころたっぷりの連載です。