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音楽フェス「ロッキン」 チケットシステムに革命

8月に開かれた国内最大級の音楽祭「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル2022(通称ロッキン)」(千葉市蘇我スポーツ公園)は、チケットの販売や運用に電子チケットと顔認証を併用したシステムを導入して注目を集めた。同フェスの渋谷陽一総合プロデューサーは「顔認証とQRコードの併用で不正転売が一切できないのが最大のメリット。コンサート・ライブの歴史を変えたという自信がある」と話す。

新システムでは、入場者は自身の顔とスマートフォンに表示されたQRコードを専用機器にかざすだけで入場できる。同時に発熱者も識別される。同フェス事務局によれば、ほとんど瞬時に認証され、入場が滞る場面はほとんどなかった。顔写真を登録した本人以外は認証されないため、チケットの不正転売を防止できる。購入後にやむを得ずフェスに行けなくなった場合は、定価でチケットを売買できる「公式リセール」の仕組みも用意した。

ロッキンに限らず、大型フェスは広大な敷地に複数のステージを擁する。観客はタイムテーブルを参考に、見たいステージまで足を運ぶ。特にお目当てのアーティストのステージはできるだけ近くで見たいというファンが多いため、ステージ前のエリアは人気が高い。しかし早い時間からステージ前に陣取り、お目当てのアーティストが出てくるまで場所を占拠し続け、他のアーティストの演奏には全く関心を示さない観客もいる。そうした行為は「出待ち」「場所取り」と呼ばれて問題視されてきた。

そこで同フェスは「ステージ前方エリア」をアーティストごとの入れ替え制にし、抽選で当選した観客だけ入れることにした。ロータス、グラスの2つの大型ステージは2000人、ヒルサイド、パークの2つのセカンドステージは500人入場でき、ここでも電子チケットが活用された。渋谷総合プロデューサーは「場所取りがフェスの楽しさを阻害してきた。このシステムで平等性が確保でき、快適性が増した」と語る。

ロッキンは8月6、7、11、12の4日間開催(13日は台風の影響で中止)し、計18万人を集めたが、同システムは渋谷氏が総合プロデューサーを務める昨年末の「カウントダウン・ジャパン21/22」、今年ゴールデンウイークの「ジャパン・ジャム2022」でも導入していた。

「これまではいわば予行演習で、(入場者数が数倍になる)夏のロック・イン・ジャパンが本番だった。顔写真を登録するなど利用者に面倒をかけるので、購入者が減ってしまう危惧もあった。しかし1日4万5000人分のチケットに対して多い日は27万人の応募があり、お客さんも納得してくれたのだと思う。今後もこのシステムを続けていく」と渋谷総合プロデューサーは話している。

(吉田俊宏)

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