ファナック会長 稲葉善治(21)海外提携
父、米GM合弁「対等」主張 私は移籍直後、米ミラクロン派遣
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話は少しさかのぼる。ファナックは私の入社約3年前の1980年12月、富士山の裾野が広がる山梨県忍野村に新工場を開設した。山中湖近くに取得した約10万平方メートル(約3万坪)の敷地に建設したこの富士工場は延べ床約2万1千平方メートル。当時の技術を総結集した自動化工場だった。
「世界初の無人化」「ロボットがロボットを作る工場」などと内外で報じられて話題を呼び、81年1月から工場を公開したところ、1年...

工場自動化(FA)やロボット機械で世界ダントツ企業のファナック。創業者である稲葉清右衛門さんを父にもつ稲葉善治さんは、エンジニアを志望しいすゞ自動車に入社、幹部候補生として期待されますが、父の強引な要請でファナックに移籍しました。社長に就任するとワンマン体制を軌道修正し、さらなる飛躍を導きます。独特の企業風土をもつ世界最強のロボット機械メーカーを築いた父子2代の足跡をたどります。