マンガ家 里中満智子(21)歴史好き
「万葉集」題材 念願の連載 故郷の大阪 歌の舞台に親しみ
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歴史が好きだ。人物に心引かれることもあれば、建築物や衣服からその時代に関心を持つこともある。
中でも中学生のころから好きなのは「万葉集」の時代だ。8世紀ごろ編さんされたこの歌集では、あらゆる人が平等だ。高貴な男性が身分の低い女性に振られてメソメソする歌がある。天皇も政治家も農民も放浪の民も同じように扱われている。当然男女の区別もない。成立した時代を考えれば、世界に先駆けた民主主義的な歌集だと感動...

マンガ家の里中満智子さんは高校生時代に鮮烈なデビューを飾って以来、第一線で活躍し続けています。団塊世代に生まれ、厳しい母親からは「試験で一問でも間違えたら集めた漫画を捨てる」と言われながらも反対を乗り越えてプロの道に。「アリエスの乙女たち」「天上の虹」といったヒット作を生み、あまりに多忙な日々を送る中で、様々な苦悩や子宮頸(けい)がんなどの病気とも向き合ってきました。手塚治虫や石ノ森章太郎ら巨匠たちとの交流は日本のマンガ史そのものともいえる興味深いエピソードばかり。現在は日本漫画家協会理事長を務め、奮闘を続ける里中さん。日本の漫画が「クール・ジャパン」として世界的な評価を受けるはるか前史から、大きく広がるマンガ界の未来までを展望する読みどころたっぷりの連載です。