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文化勲章の菊五郎「歌舞伎界が金メダルもらったよう」

「オリンピックがあった今年、歌舞伎界が金メダルをいただいたようなうれしい出来事。一生、忘れられない年になりそうです」。2021年度の文化勲章を受章した、歌舞伎俳優の七代目尾上菊五郎(79)は喜びを語る。歌舞伎界の文化勲章は09年の坂田藤十郎以来、先代の六代目菊五郎も文化勲章を受けている。

「ここまでこられたのは、懇切丁寧に教えてくれた父や先輩たちのおかげ」と感謝する。「私ほど先輩にかわいがられた役者はいない」。だからこそ、今の立場があるともいえる。

江戸歌舞伎を体現する菊五郎は極めて大きな名前で、襲名は容易でなかった。「(誰が継ぐのか)三すくみのようになってね、そんな中で父(七代目尾上梅幸)が金田中(東京都中央区の料亭)で、先輩方や(興行を担う)松竹の幹部に『よろしいでしょうか』と頭を下げた。幸運でした」。二代目尾上松緑、六代目中村歌右衛門、十七代目中村勘三郎ら昭和の名優が皆、第一線で活躍していた1973年に襲名した。

こうした立場もあって、若い頃から先人の懐に積極的に飛び込んだ。「昔は、今のように台本をもらえるわけではなくて、自分のセリフが書かれた紙を渡されるだけ。芝居の全体像が分からないから、先輩に聞きにいくわけですよ。そんな楽屋での交流が楽しかった」と、うれしそうに話す。対して今は、新型コロナウイルス対策で、楽屋で役者同士が話すことすら難しい。

千回近く出演したという「弁天小僧」のほか「髪結新三」「魚屋宗五郎」を、大切な芝居としてあげる。「江戸っ子の気質や愛嬌(あいきょう)、色気をこれからも研究していきます」。11月は歌舞伎座で、長く舞台をともにした十代目坂東三津五郎を追善する舞台に出演している。

(瀬崎久見子)

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