唐池恒二 私の履歴書(25)出発進行
JR九州相談役
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豪華寝台列車「ななつ星in九州」で当初検討したがやめたのは、途中下車しての慌ただしい観光だけではない。
例えばデジタル機器だ。乗務員同士の連絡やお客様からの要望を聞くためタブレット端末の配布を考えたが結果的に取りやめた。乗務員は直接出向きご用をお尋ねする。部屋に大画面テレビを置くのもやめた。人と接することこそが価値だと考えたのだ。
列車には演奏者が同乗し、ピアノやバイオリンの生演奏を聴くことがで...

JR九州相談役の唐池恒二さんの波乱に満ちた半生記です。「将来安泰だから」と国鉄に入社した柔道青年は、やがて分割民営化前夜の修羅場に巻き込まれていきます。発足したJR九州も赤字路線を抱え、先が見えない状況。そんな中、飲食業や国際船舶航路など本流とは別のところで奮闘しながら、鉄道会社の新たな可能性を模索します。熱く、そして関西人らしいユーモアが楽しいビジネス冒険譚です。