唐池恒二 私の履歴書(24)夢と壁
JR九州相談役
[有料会員限定]
九州1周の豪華列車というアイデアへの反対論は社外にも多かった。某大手旅行会社を訪れた社員は「九州での旅行に何十万円も払って東京から参加する人はいない。失敗する」と忠告されたそうだ。
私たちは欧州やアジアで豪華列車を乗り歩いた。その結果、鍵の一つがサービスの違いだと気づく。日本で高級とされる施設は丁寧だが型にはまった接客をする。しかし世界の富裕層は、休暇の場ではくだけた接客を好む。丁寧な接客は仕事...

JR九州相談役の唐池恒二さんの波乱に満ちた半生記です。「将来安泰だから」と国鉄に入社した柔道青年は、やがて分割民営化前夜の修羅場に巻き込まれていきます。発足したJR九州も赤字路線を抱え、先が見えない状況。そんな中、飲食業や国際船舶航路など本流とは別のところで奮闘しながら、鉄道会社の新たな可能性を模索します。熱く、そして関西人らしいユーモアが楽しいビジネス冒険譚です。