岸田二刀流に足りぬ覚悟 成長も財政も「苦い薬」を
本社コメンテーター 小竹洋之
[有料会員限定]
「成長と持続可能性のツーウエー」。岸田文雄首相は自身の看板「新しい資本主義」を、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が貫く二刀流になぞらえた。
力強い成長と持続可能な経済社会の構築をともに目指すのはいい。2つの目標達成に必要な人、イノベーション、脱炭素などへの投資を怠るべきではない。
さりとて一定の規律や節度を保ち、「賢い支出」に徹する責任はある。岸田二刀流にはその覚悟が足りないようにみえる。...

経済部次長、ワシントン支局長、上級論説委員兼編集委員などを経て現職。日米での取材経験を生かし、マクロ経済や国際情勢について幅広く論評する。単著に「迷走する超大国アメリカ」、共著に「技術覇権 米中激突の深層」「米中分断の虚実」。