2023年の市場に潜む「多層リスク」動画で解説 - 日本経済新聞
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2023年の市場に潜む「多層リスク」動画で解説

マネーの世界 教えて高井さん

世界経済は減速するもののハードランディングは回避し、インフレが収まるなかで米連邦準備理事会(FRB)の利下げが徐々に視野に入ってくる――。今のマーケットが想定する、やや希望的観測まじりの2023年のメインシナリオはこんな道筋だろう。

各市場の動きはこのシナリオにある程度沿っている。「利上げの後の利下げ」を見ているからこそ米10年国債は4%を下回っている。長期金利と歩調をあわせて米ドルの上昇にはブレーキがかかった。株式相場の調整には景気のクラッシュを織り込む激しさはない。コモディティー(商品)は世界的な需要減退を映す。

このメインシナリオからの「脱線」が、今年のもっとも明確な「1層目のリスク」だ。インフレの再燃や高止まり、あるいは世界景気の大幅後退などは十分に警戒すべきだろう。

今年はこうしたファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)とは違うレベルに「2層目のリスク」が潜んでいる。日米の金融政策のフレームワーク(枠組み)が修正される可能性だ。焦点は先進国で広く採用されている2%の物価目標の是非だ。すでにその兆しはある。

そして「3層目」には、現時点で誰にも想像がつかない「ブラックスワン(黒い白鳥)型」のリスクが横たわる。予想不能のイベントが経済やマーケットの風景を一変させることは、22年のロシアによるウクライナ侵攻で嫌と言うほど思い知らされたところだ。地政学リスクだけ考えても、火種はあちこちにある。

昨年に続いて波乱必至の23年。今年最初の「教えて高井さん」がリスクの在りかを再点検するヒントになれば幸いだ。

(編集委員 高井宏章)

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