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幸四郎、久々の宙乗りと「荒川の佐吉」 新演出に前向き

松本幸四郎が3月の歌舞伎座(東京・中央)公演(28日まで)の第3部で、大泥棒の石川五右衛門の役で「つづら抜け」の大技に挑んでいる。宙に吊(つ)られた大きな箱(つづら)の中から五右衛門が出てくる仕掛けで、新型コロナウイルス禍以降、多くのスタッフを要することなどから控えられていた華やかな演出だ。

実は「高い所が全くダメ。歩道橋でも真ん中しか歩けない」という幸四郎。宙乗りが得意とはいえないが、この石川五右衛門は、2021年11月に他界した叔父の中村吉右衛門が復活させた大切な出し物だ。叔父から直接、習うことのできた役でもある。「どんなに怖くても、動じてはいけない。悪の魅力が必要な大きなお役です」と張り切っている。

セリフについては吉右衛門から、一言一言、分解するように教わったという。「一つ一つの音の高低や、太さ、セリフとセリフの間(ま)などを細かく教えていただいた。音楽的ともいえますが、歌舞伎では、まずこうした声を出せるようにならねばなりません」

そして4月の歌舞伎座第2部では、片岡仁左衛門に習ったという「荒川の佐吉」に出演する。昭和初期に真山青果が書いた新歌舞伎で、やくざ者の元大工が、義理ある人の子を育てるが、最後は子を思って身を引く人情芝居だ。「真山作品に触れると、日本語の美しさや力強さが分かる」と幸四郎。

「荒川の佐吉」は、新型コロナウイルス下の対応として、従来より上演時間を少し短くするという。「場面を減らすのではなく、テンポや演出に手を入れて凝縮させる。コロナ下の今は、型のある作品に手を入れるチャンスでもある」。困難な今の時代を、歌舞伎をブラッシュアップさせる好機と前向きにとらえている。

(瀬崎久見子)

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