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あなた専用の人工衛星があったら、どう使う?

米倉英一・スカパーJSAT社長 経営者編第5回(10月4日)

アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏など米国の経営者が相次ぎ宇宙飛行に成功し、いよいよ民間企業が宇宙に人を送り込む時代に入ってきました。近い将来には数百万円で30分間、宇宙で無重力を体験できるサービスなどが登場するのでしょう。

米倉英一・スカパーJSAT社長

オーナー経営者が桁違いの資金を宇宙ビジネスに投じるなど米国のパイオニア精神とダイナミズムには感嘆します。しかし日本は小型ロケットエンジンやロボットアームなどの高い技術力を持っています。我が社も通信衛星の運用ノウハウを生かして、新しい宇宙関連サービスを提供していきたいと思っています。

スカパーJSATはメディア事業と宇宙事業を2本柱にしています。衛星放送の「スカパー!」ほど知られていないかもしれませんが、現在17機の衛星を保有し企業や政府などに様々な通信サービスを提供しています。携帯電話の災害時のバックアップ回線や航空機内のWi-Fi(ワイファイ)などにも使われています。

宇宙ビジネスの可能性は広がっています。日本工営ゼンリンと組み、土壌の撮影データなどから土砂崩れやダム決壊のリスクを分析できるようなサービスを始めました。NTTとは宇宙空間にデータセンターをつくる計画を進めています。大量の電力を消費するデータ処理を衛星でやってしまおうという構想です。

こうした災害対策や社会インフラとしてのビジネスは意義も大きいのですが、ユーザーは企業や政府が中心となります。せっかく「スカパー!」を手がけているのですから、消費者向けサービス、宇宙エンターテインメントにもチャレンジしていきたいと思っています。

2024年度打ち上げ予定の衛星「Superbird-9」(イメージ)©Airbus

例えば「宇宙スマホ」というサービスがありえるかもしれません。スカパー!のアイコンの入ったスマートフォンを宇宙に持って行き、地上の家族と自由に通話や画像送信ができ、エンタメ番組も見放題というイメージです。ほかにも4K・8Kの船外カメラで流星群などをお見せする宇宙ライブも考えられますよね。再来年には衛星にレーダーを積んで船外を監視するサービスを始めます。宇宙エンタメビジネスは技術的には十分可能なのです。どう採算を確保するかが鍵になります。

グループミッションとして「Space for your Smile」という言葉を掲げています。Spaceは「宇宙」と、家やリビングなどあらゆる「空間」をかけています。安心・安全とともに楽しさを提供し、「スカパーJSATと付き合うと面白いよね」と言われる存在になりたいと思っています。

そこで読者の皆さんにお聞きします。あなた専用の人工衛星があったら、どう使いますか。日常生活や人生をよりエンジョイできるようなアイデアを期待しています。

米倉英一・スカパーJSAT社長の課題に対するアイデアを募集します。投稿はこちらから。

編集委員から

スカパーJSATは業界再編を経て2008年に今の経営形態になりました。衛星通信というインフラを提供しながら自ら衛星放送も手がけるユニークな企業モデルは、統合を繰り返した末に生まれたのです。「宇宙エンタメ」は、両事業で培った技術力とマーケティング力を試す格好の機会となるでしょう。一方で従来の延長線上にはない発想力も必要になってきます。

米倉英一社長は「組織をかき回して、いい意味での化学反応を起こしたい」と言います。宇宙事業の幹部をメディア事業のトップに据えるなど、事業間で数多くの人事交流を進めています。新規事業の開発では社内公募制で若手を積極登用しており、レーザーで宇宙ごみを除去する衛星の設計・開発など将来の芽も出始めました。イノベーションを生み出すには外部との交流も欠かせません。社内の人材を生かしつつ、他社や大学・研究機関とのコラボレーションが今後ますます増えていきそうです。(編集委員 半沢二喜)

◇   ◇

今回の課題は「あなた専用の人工衛星があったら、どう使う?」です。400字程度にまとめた皆さんからの投稿を募集します。締め切りは10月12日(火)正午です。優れたアイデアをトップが選んで、25日(月)付の未来面や日経電子版の未来面サイト(https://www.nikkei.com/business/mirai/)で紹介します。投稿は日経電子版で受け付けます。電子版トップページ→ビジネス→未来面とたどり、今回の課題を選んでご応募ください。

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