唐池恒二 私の履歴書(8)民営化前夜
JR九州相談役
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大分鉄道管理局で人事課長を2年務めた後、福岡県門司の九州総局に移った。九州全体を管轄する組織で、まず営業部旅客課の課長に就いた。割引切符や広告宣伝、観光キャンペーンなどを手がける部署だ。ここでも現場主義と直接対面主義を貫いた。
お客様からクレームが届くと、すぐに足を運ぶ。平戸に住む方が何かの件で怒っていたときは、鉄道で4時間かけて会いに行き5分で打ち解けた。こういうときは電話では駄目。いつまでも...

JR九州相談役の唐池恒二さんの波乱に満ちた半生記です。「将来安泰だから」と国鉄に入社した柔道青年は、やがて分割民営化前夜の修羅場に巻き込まれていきます。発足したJR九州も赤字路線を抱え、先が見えない状況。そんな中、飲食業や国際船舶航路など本流とは別のところで奮闘しながら、鉄道会社の新たな可能性を模索します。熱く、そして関西人らしいユーモアが楽しいビジネス冒険譚です。