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大谷、パワー表現の夢舞台へ 球宴本塁打競争出場決まる

タイガース戦の八回、この試合2本目となる21号本塁打を放つエンゼルス・大谷(18日)=ゲッティ共同

沢村栄治(のちに巨人)がルー・ゲーリッグの一発に泣いた戦前の一戦に始まって、「打撃の神様」川上哲治(巨人)も来日チームに「3Aクラス」と評された戦後まもないころ。そして飛ばないメジャーの使用球に苦労し、長打が出なかった日米野球……。

長年の交流史のなかで形成された「パワーコンプレックス」を考えると、パワー誇示の究極の舞台ともいえる本塁打競争への出場は隔世の感がある。

敵味方関わらず、選手仲間が自分の練習もそこそこに、打撃練習の弾道にみとれる大谷は特別な存在であって、日本球界全体のパワーアップの証明にはならないのだが。

今季の大谷にとって、本塁打は特別なものではない。「いいコンタクトをしたら、勝手にホームランになると思っている」

ピンチでテンションが上がれば、160キロの速球が自然に出るのと同様に、飛ばそうと意識しなくても当たれば柵越えする。昨季は一昨年に手術した膝の回復過程にあり、上体で振っていたという。肉体さえ元通りになれば、というところだったらしいが、それにしても今季の量産ぶりはすごい。

タイガース戦の電光掲示板には、大谷が米大リーグで先発登板した選手として初の本塁打競争に出場と表示された(18日)=共同

本人は4年目の「慣れ」に言及している。最近、左投手を打ちこなしていることについて「独特の球というか、身長の高い投手も多いし、慣れが必要な部分は多少あったのかなと思う」。手足が長く、球の出どころもタイミングもバラエティーに富んだメジャーの投手たち。対戦球団、選手も多い。長い「仕込み」の期間がやっと終わった、ということかもしれない。

オールスター恒例の本塁打競争を取材したのは2005年だった。ボビー・アブレイユという通算288本塁打の選手が優勝したのだが、印象深いのは20本、30本と柵越えをしていくにつれ、バットが「もう勘弁してくれ」というようにケバ立ち、ボロボロになっていったことだ。メジャーのトップ選手のスイングの恐ろしさをみた気がした。

日ごろの本塁打の飛距離、打球速度からみて大谷のインパクトの強さは歴代の出場者に劣らないはず。夢の舞台を待つ気持ちには、怖いもの見たさにも近いものがある。

(篠山正幸)

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