社会全体で賃上げ機運の醸成を 渡辺努氏
東京大学大学院教授(マクロ経済学)
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春闘が山場を迎えている。日本の賃上げは20年以上にわたって低迷し、せいぜい定昇分の2%程度というのが昨年までの姿だった。それを5%までもち上げるというのが連合の目標だ。今年はまさに「ターニングポイント」だ。
労使の集う会議はどこも熱気にあふれている。労働者側の関心は、いかにして生活を防衛するかだ。そうした場での定番の質問は、それにはいくらの賃上げが必要かだ。連合の5%という数字は定昇込みで、それ...