三谷幸喜「笑の大学」25年ぶり舞台上演　原点見すえる

劇作家には創作の源を示す原石のような作品があるものだ。井上ひさしなら、原爆が投下された広島で生き残った娘と幽霊の父との触れあいを描いた「父と暮せば」。野田秀樹なら、差別がもたらす残酷さとかなしみを寓話（ぐうわ）にした「赤鬼」。多くは小編で、劇作家は上演をとりわけ大切に扱う。

当代一の人気喜劇作家、三谷幸喜にとってのそれは「笑の大学」だろう。ときは1940年、軍国主義にそぐわぬ舞台が弾圧されるなか...