竹島宏、20周年の新境地 「僕の道は大人の歌謡曲」

デビュー20周年を迎えた歌手の竹島宏が記念曲「プラハの橋」を発表し、オリコンの演歌・歌謡シングルランキングで2週連続1位になるなど、注目されている。中欧チェコの首都を流れる大河モルダウに架かる橋を舞台に、許されない愛に揺れる男女を描いた壮大な曲(山田ひろし作詞、幸耕平作曲)だ。「くしくも20周年の節目に、これから自分はこういう世界を歌っていきたい、と思える大人の歌謡曲に出合えました」と語る。
デビュー以来、歌謡界のホープとして、独走する同世代の氷川きよしに続く第2集団を懸命に走ってきた。「もともと演歌歌手になりたくてデビューしましたが『君の声質は演歌よりムード歌謡に向いている』『いや、むしろポップスだ』など、いろんなアドバイスをいただいて、様々なタイプの曲にチャレンジしてきました。近年はダンスを取り入れて、踊りながら歌ったりもしていたんですよ」と振り返る。
新曲「プラハの橋」は大人の切ない恋を描いた深みのある曲だが「僕も43歳になりましたし、こうした大人の世界を自分の歌としてようやく表現できるようになった……。そんな手応えがあります」と明かす。「これまでの様々な仕事の積み重ねが、やっと実を結んできたのでしょうね。実際、自分の声をどうコントロールすればいいのかをつかめた感覚があったのは、ここ数年のことなんです」
これまで内心で「あんな歌を歌えたらいい」と憧れてきたのは「前川清さん、布施明さん、テレサ・テンさん、桂銀淑(ケイ・ウンスク)さんたちが歌ったような色合いの歌」だという。新曲もそうした先輩たちのレパートリーに通じるスタンダードソングのような歌だ。「新曲のような大人の歌をずっと歌っていきたいですね。まだこれが第1幕ですが、竹島宏の今後が楽しみで、自分でわくわくしているんですよ」と笑った。
(吉田俊宏)
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