日経平均・円ダービー3月末予想、国内需要の伸びに注目

読者が3月末の相場予想を競う円・ドルダービーと日経平均ダービーの締め切りが2月28日に迫った。専門家に予想のポイントを聞いた。

1月以降の為替相場は130円前後で膠着状態が続く。米利上げ停止を見据えてドル高は一服し、日銀の新総裁人事が判明して一時はさらに円高が進んだ。

「市場は日米の金利差縮小による為替変動を既に織り込んでいる」と話す東海東京調査センターの柴田秀樹氏が着目するのは、2022年に過去最大となった日本の貿易赤字だ。月々の貿易収支が赤字になれば円安要因だが、原油価格の低下やインバウンド（訪日外国人）消費の増加を受けて改善するかを注視する。

柴田氏は「ファンダメンタル面を見ても大幅な円高にはなりにくい」として、3月末の終値は137円程度と予想した。

株価はどうか。りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一氏が注目するのは企業の賃上げ動向だ。「大企業だけでなく中小企業でも賃上げの動きがあるかを見る必要がある」といい、賃金上昇と物価上昇の好循環で個人の消費マインドが盛り返せば内需が伸びて景気上昇が続くと予測する。

中国政府が日本への団体旅行を解禁した場合のインバウンド需要回復にも期待がかかる。注目すべきは飲食、観光、ホテル、航空業界だ。黒瀬氏は「外国人旅行者向けのハイエンドホテルの客室がどれほど埋まっているかもヒントになる」と話す。年初からの堅調な値動きは継続するとみて3月末の想定レンジは2万7000〜2万8500円とした。