熊川哲也が3年半ぶり舞台出演 50歳の節目に - 日本経済新聞
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熊川哲也が3年半ぶり舞台出演 50歳の節目に

Kバレエカンパニーを率いる熊川哲也が、約3年半ぶりに大作バレエの舞台に立つ。自身のバレエ団で10月末から上演する「クレオパトラ」で、絶世の美女を妻に迎えるも、裏切りに遭って暗殺されるジュリアス・シーザーの役だ。若いころに得意とした、高いジャンプを披露する主役ではないが、舞台に立つだけで存在感を示す必要がある。熊川自身の振付作で、2017年の初演時は役名を「カエサル」としていた。

「50歳を迎えたことが大きい。自分の残りの時間が有限だと感じて、後悔するとすれば何だろうと考えたときに、舞台に出られるのに出なかった時間だと思った」と出演を決めた理由を明かす。英国ロイヤル・バレエ団にいたころ、旧ソ連から亡命した大スターのルドルフ・ヌレエフと同じ部屋でレッスンを受けたときの興奮もよみがえり「Kバレエの若いダンサーに、自分の踊る姿を見せておこう」とも考えたという。さらには、まだ才能を開花しきっていないと感じるKバレエのプリマに「自分とのリハーサルで、刺激を与えられたら」。

年齢を重ねたバレエダンサーに向いた役は、案外たくさんある。特に演劇的バレエを得意とするロイヤル・バレエ団では、往年のスターがわずかな所作や視線で複雑な感情を表現する大人の役を踊り、主役以上に注目されることがよくある。しかし、Kバレエの芸術監督で企業経営者でもある熊川は、レッスンに多くの時間を割けるわけではなく、気軽に舞台に出られないという。一方で、ダンサーからの引退宣言は「一生しないつもり。引退公演とか、花束とか、セレモニーが苦手なんだ」と語った。

Kバレエカンパニー「クレオパトラ」は10月26~30日、東京・渋谷のオーチャードホールで。11月3日に大阪市、11月7日に札幌市でも上演する。シーザー役はダブルキャストで、熊川は約半分の公演に出演する。

(瀬崎久見子)

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