マンガ家 里中満智子(6)マンガ家を志す
男女同権 作品で勝負を 団塊の世代、早くから職業意識
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「私たちの半分は、きっとお嫁に行けないね」。小学生のころ、同級生の女子とよく話し合っていた。
1948年1月生まれの私は団塊の世代で、同い年の子供がとても多いのだが、対して1学年上は、私たちの半分くらいしかいなかった。そこはまだ敗戦の傷痕が深い「焼け跡世代」で、出生数が少ないのだった。だから、私たちはお相手探しにあぶれると思った。そんな悲観は実は必要なくて、同級生や年下と結婚すればいいだけなのだ...

マンガ家の里中満智子さんは高校生時代に鮮烈なデビューを飾って以来、第一線で活躍し続けています。団塊世代に生まれ、厳しい母親からは「試験で一問でも間違えたら集めた漫画を捨てる」と言われながらも反対を乗り越えてプロの道に。「アリエスの乙女たち」「天上の虹」といったヒット作を生み、あまりに多忙な日々を送る中で、様々な苦悩や子宮頸(けい)がんなどの病気とも向き合ってきました。手塚治虫や石ノ森章太郎ら巨匠たちとの交流は日本のマンガ史そのものともいえる興味深いエピソードばかり。現在は日本漫画家協会理事長を務め、奮闘を続ける里中さん。日本の漫画が「クール・ジャパン」として世界的な評価を受けるはるか前史から、大きく広がるマンガ界の未来までを展望する読みどころたっぷりの連載です。