暮らしを支える交通政策(9) 負担の偏りが生む不公平
関西大学教授 宇都宮浄人
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日本の公共交通は、独立採算の商業輸送が基本ですが、交通市場の性格上、自由に運賃などは決められません。コロナ禍による事業者の値上げ申請に対しては、国が審査を行い、通学定期の据え置きや、値上げ率抑制を要請しました。
通学定期の歴史をみると、1895年(明治28年)に教育政策の一環で、割引率の高い定期券が導入されたのが始まりです。最近の物価上昇局面でも、教育費負担を抑えることは国家政策の一つといえます...
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