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生粋のストライカー、「FWで競争する覚悟」己に問う

2022年1月5日、スペイン国王杯のバレンシア戦で久しぶりに先発した。58分の出場で7回しかボールに触れなかったが、FWとしてリスタートのつもりで挑んだ試合はとても楽しかった。

ここへ来て、カルタヘナはチームの形が固まり、リーグ戦4試合負けなし(1月5日時点)と調子が上がってきた。そんなチームで僕はトップ下の控えという立場だ。過去にもトップ下を務めたことはあるが、カルタヘナで求められているのはMFのような仕事だ。

試合に出られるのであれば、どんなポジションでもプラスになると考えてきた。が、今の立場でFWとしての評価は得られるのかと考えたとき、「何のために僕はここにいるのか。ここでプレーすることに意味はあるのか」という疑問が生まれた。FWで勝負もしていないのに負けたように扱われることに甘んじていいのか。自分だけが犠牲になっているような気分だった。

前回このコラムで「カタールのワールドカップ(W杯)に出る」と思うことで自分を奮い立たせていると書いたが、こんなことではW杯は遠のくばかりに思え、ネガティブになって、すべてが無意味と思うようになった。

それで出番が増えればW杯出場には有利かもしれないと、Jリーグへ戻ることも真剣に考えた。しかし今まで欧州で暗中模索しながら戦ってきて「試合に出られない」「やりたいポジションでプレーできない」という理由でJリーグを選択するのは、やっぱり悔しい。

そんな折、クリスマス休暇を利用しビルバオへ旅した。スペイン4部でプレーする丹羽大輝さんと会った。日本食レストランのシェフを交えて語り合い、初心を思い出せた。先の見えない状況も理不尽に思える現実も海外なら当然のこと。彼らはそれを求めてここに来た。僕も同じだったはずだ。

「本当にここではもうやることはないのか」と自分に問いかけたら「まだ、もがく価値はある」と答えが出た。自分にしか歩めない道、極め方を追求してきて今もその途中。そう信じて挑戦を続ければいいと。

その後、監督にも「FWとして競争したい。そのためのアプローチをしていく」と伝えた。これで誰かのせいではなく、すべてが自分に課せられたことになる。

カルタヘナのエースストライカーは40歳だが、技術に衰えは感じない。僕もFWとしてもっと技術を磨き、精度を上げ、突き詰める。今がピークじゃないはずだから。

裏へ抜け出したり、ゴールを狙っていくチャレンジをしたい。位置はトップ下でも FWであることを示し続けるしかない。そういうシンプルな気持ちで挑んだからこそ、バレンシア戦は楽しかった。僕はやっぱり生粋のストライカーだから。

(カルタヘナ所属)

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