この記事は会員限定です村井邦彦 私の履歴書（21）「美しい星」
作曲家
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話は1970年にさかのぼる。正月早々、悲しみに暮れることになった。僕の指南役でもあったキャンティの川添浩史さんが逝ってしまったのだ。亡くなる2日前、病床から半身を起こして川添さんは言った。「村井君、美は力だよ」。忘れられぬ言葉になった。
同じ年の11月後半、六本木にあった行きつけのサウナに出かけると、男が2人続いて入ってきた。キャンティの常連でもあった三島由紀夫さんと「楯の会」の森田必勝だ。...
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音楽の教科書に採用された「翼をください」や札幌五輪のテーマソング「虹と雪のバラード」をはじめ、「エメラルドの伝説」「夜と朝のあいだに」「或る日突然」「経験」などを作曲した村井邦彦さん。売れっ子作曲家として活動しながら音楽出版社アルファミュージックを設立。高校生だったユーミンこと荒井由実（現在は松任谷由実）さんを皮切りに、赤い鳥やガロを世に送り出します。さらにレコード会社のアルファレコードを旗揚げし、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）を世界的な成功に導きました。村井さんらが生み出した日本のシティポップは、近年世界的に再評価されています。
