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トップアナリストが語る「コロナ後」の日本株

教えて高井さん特別編・前編 SMBC日興証券 圷正嗣氏

日本経済新聞社は3月30日、日経ヴェリタスの「第33回人気アナリストランキング」で部門首位のアナリスト・ストラテジスト3氏を招き、株式相場の展望や日本企業の経営改革をテーマとしたウェブセミナーを開催した。「教えて高井さん」の特別編として、3氏と編集委員高井宏章の対談のダイジェストをお送りする。

前編は「ストラテジスト」部門トップのSMBC日興証券の圷正嗣氏。後編の「ビジネスソリューション」部門首位の大和証券の上野真氏と、「産業用電気機器」部門首位の野村証券の山崎雅也氏との対談は11日に公開予定。

SMBC日興証券の圷氏は、米国の長期金利の上昇は株高持続に本質的脅威にはならないと強調。投資マネーが新型コロナウイルスの収束を視野に入れるなか、世界のなかでも日本株に追い風が吹くという分析を披露した。

11日付日経ヴェリタスに詳報を掲載。対談動画は「マネーのまなび」のYouTubeチャンネルでも公開します。
https://youtu.be/izZw1jr-97E

シナリオを持ち 変化へのアンテナ張るとき


編集委員 高井宏章

新型コロナウイルスと併走する今の世界的株高は2つのパートに分けられる。
第1幕では、パンデミック(世界的大流行)ショックの急落後、米国を中心とした大規模な金融緩和と財政出動をテコに大幅な反発を見せた。そして昨秋、ワクチン開発の朗報が相次ぎ、危機収束の将来像を織り込む第2幕が始まった。

欧米でワクチン接種が先行しているものの、マーケットはなお第2幕、まだ見ぬ「コロナ後」の世界像を消化するステージにいる。視界はなお不明瞭で、社会・経済の正常化は多くの不確実性をはらんでいる。

トップアナリスト・ストラテジスト3氏が語ってくれたシナリオは、危機の軟着陸の先、あるいはデジタル化の加速など危機がもたらしたポジティブな変化に光を当てている。足元の日本株の力強さから見て、第2幕は強気派の筋書きにそって展開している。

今回の対談ではあえて、3氏に具体的な相場見通しを聞かなかった。先が読めないのは相場の常だが、未曽有の危機下の今は「結論」よりもシナリオの前提となる現状分析や上昇持続の条件などのロジックに焦点を置いた方が良いと考えた。

企業改革や世界の投資家の「買いそびれ」が逆説的に今後の日本株の強みになる。電機・IT(情報技術)関連では、デジタル化やグリーン経済の上げ潮と、企業自身の構造改革の波が重なるところに有望銘柄がある。
それぞれ説得力があり、魅力的な仮説だ。

専門家の見解は、市場と向き合う軸を固めるのを助けてくれる。マーケットは情報の宝庫であると同時に、情報過多の迷宮でもある。軸を持たず、焦って足を踏み入れれば迷子になりかねない。
株価予想や推奨銘柄に「乗っかる」のではなく、それを参考に自分なりのシナリオを持つ。その前提が崩れていないか、想定外の異変は起きていないか、現実の経済やマーケットと筋書きを常に照らし合わせる。投資家にできる最善策は、これしかないだろうと思う。

そうした点検作業と並んで重要なのは、株価や経済指標、企業業績などの数字には表れない変化へのアンテナを張り巡らせることだ。カギを握るのは「ヒト」だ。企業統治やビジネスモデルの改革の実現の可否は経営者のリーダーシップが握る。
今のところ、コロナ相場は経済正常化が現実となる第3幕へつながる軌道に乗っている。とはいえ、カネ余りのバブル懸念や政策の出口、米中対立激化などのリスクを考えると、第3幕が必ずしも一本調子の強気相場の継続となるとも言い切れない。
「我々はニュー・ノーマルに向けたデコボコ道(bumpy road)の途上にいる」。英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジのモハメド・エラリアン学長が2008年の金融危機後の回復過程を表した有名なフレーズは、現状にもピタリと当てはまる。シートベルトは、まだ外せない。

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難しげな専門用語が多く、とっつきにくい経済や金融の世界。ベテラン記者の「高井さん」が勘所をかみ砕いてスッキリ解説します。

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