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灰田高鴻、ジャズが聞こえる漫画を描く 舞台は戦後日本

「スインギンドラゴンタイガーブギ」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞した

新進漫画家、灰田高鴻(こうこう)の「スインギンドラゴンタイガーブギ」(2020年春から「モーニング」誌で連載中)が、音楽ファンの間で人気を呼んでいる。戦後の復興期に米軍キャンプなどでジャズを歌う若き女性とバンドマンの活躍を描き、21年3月に第24回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の新人賞を受賞した。

さらに作中に登場する「タイガー・ラグ」や「テネシー・ワルツ」「ボディ・アンド・ソウル」などを中心に、戦後の日本で流れていたジャズの名曲を収録したコラボレーションCD「ウィズ・スインギンドラゴンタイガーブギ」も5月に発売され、ますます注目度が高まっている。

灰田は1977年生まれ。18年に漫画新人賞「第74回ちばてつや賞」に入選し、連載のチャンスをつかんだ。中学、高校時代は「ロックバンドでドラムをたたいていました」と話す。「興味があるのは1970年代の歌謡曲。筒美京平さんのような作曲家に憧れました。理想はハーモニーを主体としたキャンディーズのポップスです」

「ウィズ・スインギンドラゴンタイガーブギ」(ユニバーサルミュージック)

「もともと日本人が西洋文化をどう受容してきたのかに興味があり、日本の歌謡曲のルーツへの関心とレトロ趣味があいまって、米軍キャンプでジャズを歌う女性を主人公にした連載というアイデアに発展したのです」と語る。モデルにしたわけではないというが「主人公は美空ひばりさん、江利チエミさんとともに三人娘と呼ばれた雪村いづみさんのような立ち位置の歌手をイメージしました」と明かす。

躍動するバンドのサウンドや、はつらつとした主人公の歌声が聞こえてくるような演奏シーンの描写が特徴だ。「漫画は音が鳴らないメディア。そこが弱点かといえば、必ずしもそうではなく、描き方によっては限りなく音のイメージが広がります。自分としては音楽を漫画でどう描くかにはいつも苦労していますが、生演奏の音圧の表現などにはライブハウスで演奏した経験が生きていると思います。とはいえ、戦後のジャズをあまり知らない人はイメージを広げにくいかもしれない。コラボレーションCDが漫画の世界に浸ってもらうための一助になればと思っています」と語った。

「スインギンドラゴンタイガーブギ」の単行本は講談社から4巻まで発売されている。

(吉田俊宏)

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