医療保障体制の再構築(4) 裁量的介入と「政府の失敗」
東海大学教授 堀真奈美
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前回、医療はメリット財として準市場で取引されていると述べましたが、準市場では「市場の失敗」だけでなく、「政府の失敗」も起き得ます。政府の失敗とは、政府の裁量的な介入によって予定した政策効果をあげられず、資源配分に非効率が生じることです。
ここでいう非効率を大別すると、①政策コストの正確な見積もりや把握が困難なことに起因する非効率②組織の構造的な行動要因によって生じる非効率――となります。
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