江沢民氏「素顔」のぞいた2つの会見 苦悩と自負の半生
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対外開放と軍拡のアクセルを同時に踏み込み、強国への道筋を敷いた。歴史問題で日本を厳しく批判し、愛国主義によって国を束ねた――。
11月30日に死去した中国の江沢民(ジアン・ズォーミン)元国家主席の履歴書を一筆書きすれば、こんな具合になるだろう。ただ、取材の現場で間近に見ると、苦悩と自負が入り交じった素顔が垣間見えた。
江沢民氏は1989年、天安門事件直後の混乱のさなか、最高指導者だった鄧小平氏に...

長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。