中国電力の23年3月期、最終赤字1740億円に上方修正
中国電力は31日、2023年3月期の連結最終損益が1740億円の赤字(前期は397億円の赤字)になりそうだと発表した。2097億円の赤字を見込んでいた従来予想から357億円上方修正した。当初の想定ほどには液化天然ガス(LNG)など燃料の追加調達価格や卸電力の調達価格が上昇しなかった。上方修正後も過去最大の赤字となる。
経常損益は1400億円の赤字(前期は618億円の赤字)で、従来予想から赤字幅が460億円縮小した。燃料や電力の調達費用の減少が560億円の損益改善につながった。当初の見込みより冬場の燃料価格が上がらなかった。「足元の燃料価格は落ち着いてきた」と説明している。
一方で燃料費の変動を3〜5カ月後の電気料金に転嫁する「燃料費調整制度(燃調)」の期ずれ影響は拡大し、従来予想から経常損益で100億円の下振れ要因となる。
売上高は52%増の1兆7240億円で、従来予想から1040億円引き上げた。燃料価格の上昇で燃調の額が増加することなどから増収となる。期末配当は無配で据え置いた。
同日発表した22年4〜12月期の連結決算は、売上高が前年同期比55%増の1兆1798億円、最終損益が1667億円の赤字(前年同期は149億円の赤字)だった。経年火力発電所の廃止損失で86億円、電力カルテル問題で公正取引委員会から事前通知を受けた課徴金納付命令案で707億円を特別損失として計上した。