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コロナ下、取引先の再生加速 日本公庫と四国銀行が連携

日本政策金融公庫高知支店と四国銀行は、高知県内の取引先の事業再生と経営改善を進めるため業務連携した。きっかけの一つは新型コロナウイルスで、2020年春、高知県が中小零細事業者の資金繰り支援のための緊急融資。融資は受けたがコロナ禍が長引くなか、衰える一方の事業者の体力に危機感を募らせ、再生に向けた連携が欠かせないと判断した。

1月20日付でかわした業務連携の覚書の内容は、①取引先の経営改善や事業再生計画の策定を支援②経営に行き詰まった企業の借入金を劣後ローンに転換する「デット・デット・スワップ(DDS)」といった再生手法に関して情報交換する③経営改善のための資金を協調融資する、などとなっている。

「コロナ下、高知県が2020年3~4月に実施した県内企業への資金繰り支援策が今回の連携を後押しした」と、日本公庫高知支店の迫田章宏・中小事業融資課長。「県の協力を受けた地銀などが融資した元本分が、コロナの収束が不透明な中、きちんと返済されていくのか心もとない」からだ。

県がコロナ禍において実施した「新型コロナウイルス感染症対策関連融資」は、高知の主要産業である中小零細の飲食・宿泊事業者の運転資金確保を狙ったものだった。県保証協会の保証料と融資分の利子を県が肩代わりした。総額は120億円で、これにより元本の返済を最大4年間、据え置くことができる。

県保証協会の調べによると、融資総額763億2千万円のうち94%が元本返済を4年据え置く融資条件を選んだ。融資件数でみると2082で全体の87%を占める。この元本据え置き期間はまもなく2年で折り返し地点となるものの、償還のメドがつかない融資先が少なくない。

県の緊急支援金はどう使われたのか。迫田課長は「3パターンある」という。まず、当面の賃料や人件費にあてて苦境を脱したケース。次に、借りた支援金は手元におき県の別のコロナ支援策である営業時間短縮に伴う協力金などでやりくりし、事業継続できそうなら24年春に一括償還する。最後に、それ以前の借り入れの返済に充てたため元本償却すら厳しい場合だ。

元本の返済の見通しが不透明な事業者の中には四国銀や日本公庫と取引があるところもある。両者は提携を契機に、覚書の内容を具体化させていく。

今後の事業の参考にするのが、20年11月に事業承継で再出発した須崎市の新タクシー会社への協調融資だ。須崎には3つのタクシー会社があったが、コロナによる経営不振で廃業を決めていた。両者はそこに関与。市、須崎商工会議所とともに旧3社に事業承継を働きかけ融資することで新会社の誕生にこぎつけた。

結果、市民の足が守られ、新会社も事業集約で効率経営が可能になり成長の芽をつかんだ。

こんな案件を連携でさらに増やしたい。四国銀と日本公庫は「地域金融機関」「公的金融機関」の持つそれぞれの機能や特性を生かして、コロナ後を見据えた地域経済の活性化を図る。(保田井建)

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