/

香川大、文理融合の大学院開設へ 課題対応力を育成

香川大学(高松市)は2022年度、文系と理系が融合した大学院「創発科学研究科(仮称)」を開設する方針だ。工学や経済学など既存の研究科を統合して発足させる独自の試みとなる。例えば人工知能(AI)を開発しながら人間の幸福感といった社会影響やビジネス展開も研究するなど、異分野にも視野を広げて知を探求し、複雑化する社会課題を解決できる人材を育成する。

新設予定の大学院は修士課程の創発科学専攻で、定員は130人。工学(博士前期)、経済学、法学と、高度教職実践専攻を除く教育学の4研究科を1つに統合する。修了者は既存の4種類の修士のほか、新たに危機管理学と学術の修士も取得できるようにする。

また新大学院は研究テーマによっては農学部やビジネススクールの教員も大学院生の指導に関わることになる。

同大は現在、文部科学省に新大学院の設置手続きを進めている。認められれば7月にも募集要項を作成し、開設の準備を始める。また博士課程(後期)の新設計画も進める。

新大学院では共通科目と専門科目、特別研究で構成する。研究テーマの例としてはICT(情報通信技術)による都市づくり、観光地域の活性化、瀬戸内の再生などが挙がっている。

観光を切り口にした場合、AIを活用した周遊ガイドシステムを開発しつつ、地域戦略やビジネス、顧客視点でのシステムデザイン、瀬戸内の歴史・文化などを学ぶといったイメージになる。持続可能な地方都市づくりもテーマになるが、観光地域戦略や建築学、経済・政策分析のほか、災害に強いレジリエンス(復元力)マネジメントといった専門科目から選択する。

新大学院には社会人にも積極的に門戸を開く。働き方改革で副業が注目されたり、人材の流動化が進んだりする中で、「学び直し」が重要な課題になっていることに対応する。新しいスキルの取得だけに満足せず、時代に合わせた知の基盤を拡充したいという要望に応える。

その一環として大学職員にも受験を呼びかける。新大学院のシステムを円滑に運営できるかどうか課題を洗い出すモニター的な役割を担ってもらいたい考えだ。

文理融合型の大学院は全国各地で相次いで新設されている。いずれも新しい学問分野として新規に設置する大学がほとんどで、香川大のように既存の研究科を統合する形で発足する試みは聞いたことがないという。香川大の筧善行学長は「大きな大学では大学院を1つにまとめるのは難しいと思うが、香川大のような規模ならできるのではないか」と説明している。(竹内雅人)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン