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八十二銀行、新頭取に松下氏 湯本氏は会長へ

八十二銀行は30日、松下正樹副頭取が頭取に就任する人事を発表した。銀行を取り巻く事業環境が厳しいなか、企画畑や営業畑での豊富な経験をもつ松下氏にバトンを託し、経営体制の強化を急ぐ。頭取交代は8年ぶりで、湯本昭一頭取は会長に就く。日銀のマイナス金利と新型コロナウイルス禍のなかで、松下氏は難しい経営のかじ取りを求められている。

新頭取に就任する松下副頭取㊧と、湯本頭取㊥(30日、長野市の本店)

「過去にも厳しい状況ばかりだった。(コロナ禍の)今回も厳しい状況だが、グループ一体で乗り切れるという思いだ」――。頭取への就任が決まった松下副頭取は同日の記者会見でこう強調した。松下副頭取は企画部長のほか、本店や東京、松本営業部長などを経験。営業畑の造詣も深く、行内でのリーダーシップが強いという。

湯本氏によると、松下氏には2020年12月ころに次の頭取を任せる意志を伝えた。直近は副頭取の立場から頭取を支えてきたこともあって、湯本氏は「不安なく引き継ぎができる」と語った。松下副頭取は6月25日に予定する定時株主総会を経て、頭取に就く予定だ。

新たなバトンを託された松下氏だが、同行を取り巻く足元の事業環境は厳しさを増している。16年の日銀のマイナス金利以降、銀行は従来の貸出金による利息で収益を稼ぐモデルから変革を求められていたところに、コロナ禍が重なった。同行は21年3月期までの3年間の長期経営計画で連結純利益を250億円(21年3月期の実績は223億円)にまで高める目標を掲げていたが、未達となった。

松下氏も「これまでの金融機関は金融仲介業だった。今後は世界が変わる」と指摘。従来のビジネスモデルに次ぐ新たな稼ぎ頭を育てる考えも示す。今後のコロナ禍では業態を変えたい取引先の相談に乗ったり、M&A(合併・買収)を提案したりといった業務に注力していく。

4月には資産運用の子会社として「八十二アセットマネジメント」の設立も発表。加えて、これからは高齢者の資産管理といった信託業務を強化していく方針も示した。

同日発表した21年3月期の連結決算は、純利益が前の期比1%増の223億円だった。世界的な株高で、子会社の証券会社で手数料収入などが増えた。銀行単体の税引き利益は5%減の185億円。与信費用の増加などが響いた。併せて22年3月期の業績見通しも発表し、純利益は前期比1%増の225億円を見込んでいる。

新頭取に就任する松下副頭取の、記者会見での主なやりとりは以下の通り。

――直面する経営課題は何だと考えているか。

「いまコロナで苦しんでいる取引先がかなりいる。行員やグループ会社の社員が対応するための環境を整えるのが直近の課題だ。コロナ後は世の中が一変する。少子高齢化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、環境問題、色々なものに取り組む必要がある」

――地銀を取り巻く環境が厳しい中でのバトンタッチとなる。

「長野県での八十二銀は引き続きリーディングバンクとして存在し、顧客にもそのように認知されなければならない。地銀再編が声高に叫ばれていたが、最近はトーンダウンしてきている。地方銀行はそれぞれの地域で、独自モデルで生き残りを模索していくのではないか」

――他地銀との連携や経営統合について方針は。

「今の時点では何が正解かわからない。話があれば当然検討する。ただこれから銀行は大きく変わっていかなければいけない。やるべきことが山のようにあり、そちらを優先して対応しなければならない」

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