栃木のイチゴ、台湾へ16年ぶり輸出 販路確立へ再挑戦

栃木県から台湾への食品禁輸措置が2022年に解除されたのを受け、県産イチゴの台湾への輸出が約16年ぶりに再開する。30日、宇都宮市から県内2農家のイチゴが試験的に出荷された。今後の本格的な輸出開始に向け、バイヤーや消費者のニーズを探る。
県産イチゴの台湾への輸出は06〜07年にかけての冬に初めて実施されたが、販路が確立できず、その後は途絶えた。さらに台湾は11年の東京電力福島第1原子力発電所事故後、栃木を含む5県産の食品の輸入を禁止していた。禁輸解除後、栃木の農産物が台湾に輸出されるのは牛肉とパックご飯に続き3例目となる。
今回出荷した品種は県が開発した「スカイベリー」。鮮やかな赤色と大粒で整った円すい形が特徴で、外観の美しさに定評のある品種だ。栃木市とさくら市の計2農家から320パック、およそ83キログラムが出荷された。出荷作業は農産物生産・販売のアグリファン(宇都宮市)が担った。
県は東南アジアを中心にイチゴの海外輸出を推進する方針を掲げる。今回の輸出再開に向けても、台湾独自の農薬規制に対応した栽培方法の指導などを通じて農家を支援してきた。栃木の農産物の魅力を知ってもらうため、2月に台湾で消費者向けイベントも開く。