アイリス、静岡・裾野に飲料水工場 300億円投資

アイリスオーヤマ(仙台市)は30日、静岡県裾野市のトヨタ紡織の工場を取得し、飲料水工場にすると発表した。アイリスとして全国2カ所目の飲料水工場となる。総投資額は300億円となる見通しだ。6月にも稼働予定で最大で300人の新規雇用を見込む。
30日に裾野市と立地協定を結んだ。2020年に生産を停止したトヨタ紡織の工場を引き継いで活用する。アイリスは新たに井戸を掘り、飲料水と炭酸水の生産ラインを設ける。24年にも緑茶飲料の生産ラインの増設を計画しており、隣接する約5万平方メートルの土地に倉庫も建設する。
工場立ち上げのタイミングで約150人を採用し、ライン増設に合わせて最大300人を雇用する計画だ。同日の記者会見で裾野市の村田悠市長は「工場稼働による経済波及効果は200億円を超える」と期待を寄せた。
アイリスは鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)でも飲料水のライン新設を計画している。足元の需要増に迅速に対応するため、既存工場の活用で早期の稼働が見込める裾野市への進出を決めた。既存の富士小山工場(静岡県小山町)の2倍となる年間5億本が出荷できる体制を目指す。鳥栖工場も西日本エリアへの供給拠点として計画を進める。
アイリスは、内食需要の拡大などを背景に食品事業を拡大させている。22年12月期の食品関連のグループ売上高は約240億円。前の期比2割の増収で、裾野市の工場稼働などで23年12月期は前期比3割増の320億円を見込む。同日の記者会見で大山健太郎会長は「第二の本社が静岡県にできるくらいの意気込みで雇用創出と投資をしていきたい」と強調した。

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