千葉県、22年の転入超過数48%減 人口移動報告
総務省が30日発表した住民基本台帳に基づく2022年の人口移動報告によると、千葉県は8568人の転入超過だった。転入者が転出者を上回るのは10年連続だが、超過数は21年比48.4%(8047人)減と、同様に超過数が減った東京周辺の首都圏3県で最も縮小した。外国人を中心に転出者の増加数が1万1680人と全国で最も多かった。

日本人の転入超過数は1万8740人と21年を2.8%上回り高水準だった。一方で外国人は転出超過が1万172人と6.3倍に増えた。外国人の転出者数は3万人近くに達し、これが転出者全体の増加の大きな要因とみられる。
千葉県は成田空港があり、入国後に県内の日本語学校で学ぶなどしばらく滞在してから国内各地に移る外国人が多い。このため新型コロナウイルス感染拡大前は転出超過が大きくなりがちだった。コロナ禍で20、21年は入国が減ったが、22年3月から水際規制が緩和され、技能実習生や留学生の入国者数が22年は急回復した。
日本人と外国人を合わせた転入者数は16万3761人で21年比2.3%増と伸びは小幅だったが、都道府県で東京、神奈川、埼玉、大阪に次いで5番目に多かった。転出者数は8.1%増の15万5193人だった。

県内市町村で最も転入超過数が大きかったのは千葉市の3519人。40.6%減ったものの、さいたま市や横浜市、茨城県つくば市などに続き全国8位(21年は6位)だった。マンションを中心に市内での住宅着工戸数は年間7000戸を上回る高水準が続く。東京都心よりは住宅価格が割安で居住空間も広く新住民を呼び込む。
船橋市が転入超過数3172人で、全国10位(21年は16位)に浮上した。都心へのアクセスの良さから住みやすい街として人気が高い。流山市は2786人で28.4%減。全国14位と21年の9位から後退した。ただ0〜14歳の転入超過数は758人で県内トップ、全国4位で子育て世帯から支持されている。次いで柏市が全国16位の2479人だった。
県内54市町村のうち、転入超過は22市町村で、32市町は転出超過となった。転出超過が最も多かったのは成田市(2554人)で八街市(2224人)、富里市(1962人)が続いた。